ラップランド大学 国際文化学科4年 内藤海<2号 2023年11月~12月>

●はじめに

どうも北欧からこんにちは。

最近ふと気づいたのですが、気温が-20℃の日が続いていたので、-10℃が少し暖かく感じられる体になってしまいました。フィンランドでの生活も早いもので4ヶ月目を迎え、かなり慣れてきました。ただし一点だけ、日照時間が2時間しかないため、常に外が暗く異世界を感じます。不思議なことに太陽を見ない日々が続くと何もやる気が起きないため、どうにか太陽を見られないかと考えていたのですが、ひょんなことからクリスマスをドイツで過ごすことになりました。詳しくは「ドイツでのクリスマス」のパートでお話しします。

一方、本業である大学の方も学期終わりということでかなり忙しかったです。レポートや課題・プレゼンに追われる毎日でした。特に私にとって大人数の前で英語を使ってプレゼンテーションをするというのはかなりハードルが高く、準備にもかなりの時間を要しました。プレゼンが無事終了しても気を緩めることはできません。教授や学生から飛んでくる鋭い質問に答えなくてはなりませんでした。そんなこんなで大学がひと段落すると、今度は親友たちとの別れがやってきます。今回はこれらを中心に報告していけたらと思います。

ナイトクラブで課題を進める内藤さん
ナイトクラブで課題を進める私
サンタクロース村に遊びに行った時の写真
サンタクロース村に遊びに行った時

●親友たちとの別れ

先ほどお話しした通り、フィンランドはこの時期、日照時間が極端に短く、外は真っ暗な時間帯がほとんどです。また気温も-30℃を下回る日があり基本的には室内で過ごす毎日です。そうなると、同じアパートの人たちで自然にグループが形成されていきます。私もそんな感じで、同じアパートの同じ階数の人たちと毎日過ごすことになりました。それぞれの出身国はフィンランド、ドイツ、スロベニア、ラトビア、ハンガリー、ベルギー、イエメン、インド、そして日本という風にバラバラでしたが、皆でボードゲームをやったり、課題をやったり、ご飯を食べたり、映画を見たり、サウナに入ったり... 本当に多くの時間を彼らと共有しました。前回の報告で言い忘れていましたが、10月にはこのメンバーで1週間ノルウェーのLofotenに行ったりもしました。時系列を遡ってしまいますが、8月の終わり、私がフィンランドに到着してから一番悩まされた言語の壁も、彼らとの交流がきっかけで徐々に乗り越えていくことができました。

そんな彼らの多くは半年のみの交換留学プログラムでフィンランドに来ていました。そのため、学期末である12月に彼らとお別れをしなくてはいけませんでした。正直、かなり辛かったです。

「やっと自分の英語が上達してきて、彼らが何を喋っているのか理解できるようになって、やっと自分の気持ちや意見を彼らに伝えることができるようになったのに、これまでのような日々はもうやってこないんだ」と寂しさと悔しさが混ざったような気持ちになりました。フィンランドに来てから、もっと日本で英語を勉強しておけばよかったと思うシーンはたくさんありましたが、彼らとの別れの時に一番強くそう感じました。

そんな中、彼らと過ごした日々をどこかに残しておきたいと考え、映像を制作することにしました。一人目の友達が帰国する前日にお別れパーティーを開いて、その夜にその映像を皆で視聴しました。彼らがそれを泣きながら見ているのを見て、映像制作をやっていてよかったなと感じました。またそれは、前回の報告の最後に述べた「英語を使用した環境下で何かしらの作品を制作する」という目標を達成した瞬間でした。

少し感傷的になってしまいましたが、そんな感じで親友たちとお別れをしました。

余談ですが、お別れパーティーの翌日、一人目に帰国する友達が夜行列車に乗車した際、彼女の荷物を運んであげようと乗車した友達が、そのまま降りることができず、列車が出発して行ってしまったというプチ事件が起こりました。腹がちぎれるほど笑いました。

同じアパートで同じ階の友達
同じアパートで同じ階の友達
夜行列車から降りれなくなった友達
夜行列車から降りれなくなった友達
Lofotenで撮って制作した映像
Lofotenで撮って制作した映像

●ドイツでのクリスマス

さて、友達がほとんど帰国してしまったことと日照時間の短さで何のやる気も起きない日々が数日続いていた頃、ドイツ人の友達が「俺、一旦実家帰るけど来る?」と誘われて、ついて行くことにしました。オランダ・アムステルダムを経由してドイツ・ベルリンまで飛行機で行き、そこから夜行バスで3時間、彼の実家があるドレスデンに到着しました。ドイツでは彼の家族や親戚、友達に一通り会いました。クリスマスも彼のおばあちゃんの家で過ごしました。

ドイツ滞在中で最も衝撃だったことは、彼らの日曜日の過ごし方です。ある日曜日、「ザ・ヨーロッパ」というような尋常じゃないくらいの美しいドレスデンの街並みをぼーっと眺めていたら、何か違和感を感じました。

「暇な人多いなぁ。」

不快に思われたら申し訳ないのですが、これは正直な僕の第一印象です。街を見ると、コーヒーを片手にベンチに座っているだけの人やフリスビーをする家族、芝生に寝転がって音楽を聴く女性、そして例外なく私も含め、言うなら暇人ばかりなのです。裏返せば、誰一人として働いていなかったのです。

友人にこのことを伝えると、日本人は日曜日も働くのか?と笑われました。日本でももちろん日曜が休みの人もいますが、ショッピングモールや飲食店などは日曜日でもやっています。それがドイツでは例外なく閉まっていました。どこかで聞いたことはある話だったのですが、実際に経験してみると違和感でしかありませんでした。

また、彼のドイツの友達に招待されてクリスマスパーティーに行ったり、世界最大と言われているクリスマスマーケットでホットドックを食べたり、日本とは違ったクリスマスを楽しむことができました。ドイツの街並みがあまりに美しくかなり気に入ったので今後の人生で何回か来そうだなと思いました。あと言い忘れていましたが、太陽の光をたっぷり浴びて元気になりました。

ドレスデンの美しい街並み
ドレスデンの美しい街並み
ドイツの古着屋さん
ドイツの古着屋さん
世界最大クリスマスマーケット
世界最大クリスマスマーケット

●今後の目標

最後に、今後の目標ですが、新しい友達を作ることと講義にしっかり参加することを掲げたいと思います。せっかくほぼ世界の北端まで来たので、ここでたくさん友達を作りたいと思います。帰国した友達を忘れるわけではありませんが、ずっとクヨクヨしていても成長はないと思うので、また新たに素敵な友人関係を築けていけたらいいなと考えています。また、講義にしっかり参加するというのは言うまでもなく当たり前の話ですが、英語が上達してきている今、講義にさらに主体的に参加できるのではないかと考えています。加えて、後期は前期に比べ、より実践的に映像を学べる講義がたくさんあるのでとてもワクワクしています。支えてくれている家族や友達に感謝しながら、次回も良い報告ができるように頑張りたいと思います。

ちなみにですが新しいルームメイトが決まりまして、実はもう隣の部屋に既に来ています。私が通っている大学内では有名な超超陽気なキャラクターのアメリカ人です。初日に何故か彼の部屋のベッドをくれました。次回の報告ではきっと彼の話も出てくるでしょう。それでは、また。