国際文化学部


関連ワードで検索する

国際文化学部の目的

国際的視点を持ち、地域の諸課題に対応できる教養及び技能を備え、地域の国際化、個性豊かな地域文化の振興と創造に資する人材を育成します。

学部長メッセージ


国際文化学部長 西田 光一

国際的な視野を備え、自分の足で行動できるように成長するために

 国際文化学部は名前のとおり国際的であることを掲げています。
 ただ、本学は、最寄りの無人駅の周囲に田畑と雑木林が広がるところにあり、名前とのギャップがあります。この紹介文を読んでいる方々が高校生だとしたら、ご両親か、さらに上の世代の人に海援隊の『思えば遠くへ来たもんだ』という曲のことを聞いてみてほしいです。
 その中に、少年がレールに耳をあて列車の響きを聞いて遥かな旅路を夢見るという一節があります。都会の生活は世界のどこでも似たりよったりで、個性が見えません。
 一方、地方で、その土地に根ざした暮らしを経験した人は、世界に出た際に自分のオリジナルの話ができます。この点に私たちの学部が国際的な人材を育成する価値と責任があります。
 本学部は国際文化学科と文化創造学科という毛色の違う2学科から出来ています。
 国際文化学科は世界の文化を知り、伝えていくところに重点があり、英語、中国語、韓国語といった外国語教育に加え、人文社会にデータサイエンスといった分野を通じて世界の諸文化を理解し、異文化圏に参加する方法を学びます。
 文化創造学科は文化的成果を作り、暮らしに結びつけていくところに重点があり、日本文学、デザイン、地域交流といった分野を通じて身近な地域で文化的価値を表現する方法を実践的に学びます。
 本学部は、多彩で有機的な学びから多様性に満ちた世界へと歩みを進め、国際的な視野と自分の足で行動できるように成長する4年間を提供します。

学科一覧

国際文化学科

地域をグローバルにつなぎ活性化させる
インターローカル人材に。

文化創造学科

文化や芸術への知識を深め、
表現力を培う。

国際文化学部だより

学部の構成

学部名 学科名 開設年度 修業年限 入学定員
国際文化学部 国際文化学科 平成 6年度 4年 62
文化創造学科 平成19年度 52

国際文化学部の歩み

1994年(平成6年)

 国際文化学部が創設されました。国際文化学研究という学問領域のあり方を求めて「山口県立大学国際文化学部研究会」を発足させ、1997年から2000年にかけて様々な分野からの講師を招き、講師と教員・学生間でのディスカッションが行われました。その軌跡をまとめたテキスト「国際文化学の創造」(2002年 明石書店)が発行されました。

詳しくはこちら

1997年(平成9年)

 『ノーベル賞受賞者を囲む「フォーラム21世紀への創造」』(読売新聞社)の山口セッションを開催しました。ノーベル文学賞受賞者であるシェイマス・ヒーニー氏と大江健三郎氏を迎えて、大学講堂での講演「文学-周縁から普遍へ」や本学教員とのシンポジウム、国際文化学部の学生たちと県内大学生が合同で参加したトークイン・セッション等を開催し、大きな刺激を受けました。

2005年(平成17年)

 2005年から4年間にわたって国連大学グローバルセミナー、島根・山口セッションを開始しました(国際連合大学、山口県立大学、島根県立大学、北東アジア地域学術交流財団主催)。国際文化学部の教員がプログラム委員として加わり、他大学の教員とともに全国から応募してくる大学生を対象とした3泊4日のプログラムをリードする役割を担いました。国内外からの著名な講師陣による講義やグループ討論を通して、学生たちの切磋琢磨する姿を地域社会に印象づけました。

2007年(平成19年)

 国際文化学部に新たな一ページが加わりました。従来の国際文化学科に加え、文化創造学科がスタートしました。2つの学科のベースとなるのが「異文化理解、国際関係、地域文化と時代の関係性、地域文化と世界の文化との関係性に関する基礎的な知識と技能」です。講義や実習を通して、言語能力や行動力、新しい価値の発掘・創造・発信能力につながる知識やスキルを向上させます。地域社会や国内外に出向いて、現場の人々から学ぶ体験を重視したカリキュラムを組んでいます。「フィールドワーク実践論」「地域実習」「歴史文化実習」「地域デザイン実習」「文化創造ワークショップ」といった実践型の科目を通して、学生の個性と社会性を伸ばす教育を展開し、その成果を地域に公開・還元しています。

2008年(平成20年)

 文部科学省大学の国際化加速プログラムにおいて、「英語で発信する地域遺産教育の開発~LOLを取り入れた『やまぐち地域遺産スタディーズ』の構築を目指して~」が採択され、主として国際文化学部教員が担当する「日本人学生が英語圏からの留学生とともに英語で学ぶ科目」の充実が図られました。

2012年文部科学省グローバル人材育成推進事業(特色型、タイプB)採択、そして次の10年へ

 平成24年度文部科学省グローバル人材育成推進事業(特色型、タイプB)に採択され、平成24年度から28年度にわたる5年間の事業が始動しました。本学部が育てるのは、世界と地域の架け橋になれるインターローカル人材(inter-local人材)です。

 内向き志向の若者と言われがちですが、長期留学は減ったものの、実際には海外大学との学術交流協定が進み、語学文化研修や交換留学などの1年以内の短期研修や短期留学で海外に出かける若者は増えています。そこで、本学部では、語学力や異文化間コミュニケーション力を身につけ、主体的に学ぶ習慣を身につけるアクティブラーニングを導入。留学につながる授業や自主活動、各種検定結果などをポイント制にしてわかりやすく貯めるしくみを開始しました。貯まったポイントにより、留学選考時や奨学金選考時に提示することができることから、目に見える形で力をつけ、その力が実質的なメリットを呼ぶというシステムになっています。

 国内外の産業界や各種組織団体とコンソーシアムを組み、学外講師を招いて具体的な地域課題の提供を受けます。グループワークを行いながら、学生たちは資料を検索し、討論し、現場に調べに行き、解決策を提案します。講師から具体的、実践的、客観的で厳しい批評を受け、さらに上を目指します。「域学共創学習プログラム」の基礎的な部分は1~2年生全員に学ぶ機会があります。

 ここからさらに留学を目指す学生は、「域学共創学習プログラム」の発展的科目を履修します。留学前に産学官連携コンソーシアムから課題を提示され、留学中に調査研究を進め、帰国後に成果を発表します。国際的な視点で地域課題解決に資するアイデアを蓄積し、アーカイブで公開するほか、生涯にわたるネットワークの中で、留学体験を将来につなげる卒業生を地域社会に輩出していきます。

 私たちの思いは、ここに集ってくれた若者の才能を信じることから始まります。自分に自分で限界を引いてしまわないように応援します。一人一人の学生が自分の才能を自分のためだけではなく、多くの人々のために生かしていけるように導きたいと考えています。小さな大学、小さな学部だからこそできることがあります。チャンスはたくさんあります。運を逃さず、プレッシャーに負けないで、大きなことにもチャレンジするための後押しをします。仲間と協力し合い、時には競争し合う環境を創りだし、「やること」「できること」が当然だという雰囲気に変えていきます。そうすることで、自分自身の達成感や喜びが、他者と分かち合える喜びに変化していきます。他者の笑顔が想像(創造)できる人として、次の地に飛び立つ学生の背中を見るのが、私たちの喜びでもあるのです。

 今回のグローバル人材育成推進事業は5年間ですが、その後も取組成果を継続させます。10年後に社会で活躍する学生の姿を思い描いて、国際文化学部もさらに次の10年に向けて進化を続けます。

グローバル人材育成事業(概要)