ラップランド大学 国際文化学科4年 内藤海<1号 2023年9月~10月>

●はじめに

現在、2023年11月29日。私の出国日が8月29日だったのでちょうど3ヶ月が経ちました。私はこれまでに長期の留学経験がなく、海外に行ったのも中学の修学旅行で3日ほどシンガポールに行った1度だけです。留学前何もかもよくわからず、英語はほとんど喋れなかった私がどのように3ヶ月を過ごしたのか、できるだけリアルにここに記していきたいと思います。

レポートを書くベルギーの友人と留学体験談を書く内藤さん
(11月29日15:27現在 レポートを書くベルギーの友達と留学体験談を書く私)

●出国前後

まずズボラな私は、出国前の手続きが遅れました。その結果、フィンランドに到着するとオリエンテーション期間が終わっており普通に授業が始まっていました。その事実に気づいたのもロヴァニエミ空港に着いてからで、車で迎えにきてくれていた学生チューターの方に教えてもらいました。長期の海外留学には多くの手続きを必要とするので、コツコツと準備を進めた方がいいと思います。

空港に到着して、そのまますぐに少し大きめのショピングセンターに連れて行ってもらいました。そこでは、スマホのSIMカード、布団、フライパン、お皿、スプーンだけ買いました。その後寮に着くと、既にラトビア人のルームメイトがいたので軽く挨拶を交わしましたが、その時点での私のリスニング能力は皆無に等しかったので会話の内の10%くらいしか理解できませんでした。その夜、学生チューターの方にディナーに誘ってもらい15人くらいでご飯を食べましたが、そこで私はこの3ヶ月間で一番の挫折を経験しました。挫折の詳しい内容は最終章にでも取っておきましょう。

●ロヴァニエミについて

正直なところ未だによくわかっていないことが多いのですが、フィンランドは寒いです。一昨日は-22℃でまつ毛が凍って白くなっていました。世界地図で見るとよくわかるのですがロヴァニエミはかなり北の方にある地域で、徒歩で10分くらいのところに世界一北にあるマクドナルドがあります。また、決して田舎すぎることはなくショッピングモールや飲食店は自転車で行ける範囲にたくさんあります。

まつ毛が凍るスロベニアの友人
(まつ毛が凍るスロベニアの友達)
-22℃は寒いというより痛い
(-22℃は寒いというより痛い)
世界最北端マクドナルド
(世界最北端マクドナルド)

●ラップランド大学・アート&デザイン学部について

私はアート&デザイン学部の視聴覚メディア学科に属していますが、主に北欧のデザインやデザイン考案のプロセスなどを学んだりしています。大学構内にはたくさんのアート作品やオブジェクトがあり、内装も北欧らしいシンプルかつ斬新なデザインで彩られています。

講義内容は様々ですが、グループワークが多い印象を受けます。これまでで一番印象深かった講義は、最初の1時間でレクチャー、次の1時間でグループワーク・プレゼンテーション作成、最後の1時間で発表というものです。その時のグループワークのお題は新ゲームの考案で「チェスなどのボードゲームを抽象化し、街サイズのゲームに変えること」でした。与えられた1時間でアイデアを出し合いながら同時に発表用のスライドを作り、グループ内の意見をまとめていきます。私はこれまで英語で何かを発表をするときは原稿を詳細に作っていたのですが、もちろんそんな時間はありません。原稿なしで発表できるの?と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、やるしかない状況になると案外何とかなるものでした。

私が履修している講義の多くは3時間〜4時間のものが多く、日本の大学と比べて長く感じますが、教授の気分によって大体1時間に一度20分程度の休憩があります。講義の時間割が組まれているわけではなく、日本でいう集中講義のように1週間ぶっ続けで講義がある週もあれば、何もない週もあります。教授の旅行や学生からの要望で講義が延期されるなど全ては教授と学生の予定次第で決まっていく形式です。もちろん使用言語は英語なので講義内容を理解することは難しいですが、友達や教授に質問しながら何とかついていっている感じです。

エレベーターから見た大学内
(エレベーターから見た大学内)
ナプキンで作られた謎のオブジェ
(ナプキンで作られた謎のオブジェ)

●日常生活と今後

全く英語が喋れなかった私ですが、最初の1ヶ月は毎日外に出てとにかく英語を使うことを意識しました。かといって毎日大学があるわけではないので、普通に生活していても英語を喋るチャンスは意外とありません。そこで、英語を喋る機会を増やそうと、新しいことに挑戦してみることにしました。例えば、未経験だったボクシングやボルダリングを始めてみました。すると、そこで友達ができ、週末の予定が埋まっていきました。金土は基本的にパーティーをする文化があるので、誘われたパーティーに全て参加しました。パーティーの後は、日本でも行ったことのなかったクラブに行き、一晩中踊りました。色んな場所で英語を使っていると少しずつそれに慣れていき、彼らの言っていることが理解できるようになっていきました。今でも自分の英語に自信があるわけではないので緊張する時もありますが、その緊張感も楽しめたらいいかなと思っています。

私はこの交換留学を単なる語学留学にしたくない気持ちがあります。言語を学ぶことはもちろん大切だとは思いますが、言語は単なるツールで、それを使って何をするかが最も重要であると考えています。私の場合、それがデザインを学ぶことであったり、海外のチームと映像を制作したりすることです。今後の目標としては、言語の上達はもちろんこと、英語を使用した環境下で何かしらの作品を制作していけたらなと考えています。支えてくれている家族や友達に感謝しながら、次回良い報告ができるように頑張ります。