曲阜師範大学 国際文化学科3年 櫻井姫奈 <1号 2023年5~6月>

はじめに

私はもともと青島大学への交換留学に申し込みをしたのですが、申し込みの期限の関係で手続きがうまくいきませんでした。前期は諦めて後期から半年の留学にしようかと考えていたところ、曲阜師範大学が受け入れてくれたので、留学することに決めました。曲阜師範大学の先生や曲阜市の人たちはとても親切で、今はこの大学に留学を決めてとてもよかったと思っています。

本来は3月から留学が始まる予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で、ビザの発行が停止していたことや、私のパスポートの期限が足りなかったこともあり、2か月遅れた5月に中国に渡航しました。

今回の報告書では、主に留学前の準備、留学先に到着してから行った手続きの紹介と、現地での生活について報告したいと思います。

曲阜市の景色1
曲阜市の景色2
曲阜市の景色

留学前の準備

私は11月の二次募集で応募し、留学が決まりました。留学が決まった時点では、新型コロナウイルスの影響で、中国の留学ビザの発行が止まっていました。そのため来年度もオンラインでの授業になりそうだと先生から聞いていたのですが、1月末にビザの発行が再開されたので、急いで留学準備をはじめました。

・パスポートの更新

中国のビザを発行するためには、留学を終えて日本に帰国する日から6か月以上有効期限が残っているパスポートが必要です。私は必要な期限について勘違いしていて、自分のパスポートでは期限が足りないことに準備の途中で気が付いたため、急いで更新しに行きました。

・ビザの発行

一年間留学するためのX1ビザを取るには、曲阜師範大学から送られてくる「JW202表」と「入学通知書」が必要です。この書類の発行に今回から最高学歴の卒業証明と成績が必要になりました。証明書の発行は、高校に連絡してから1週間ほどかかりました。

必要な書類を大学に提出し、3月末に曲阜師範大学から書類が届きました。私は住民票が大阪にあるので、大阪の中国ビザ申請センターで直接申請しました。自分で申請するのは不安だったので、いくつかの代行会社に連絡したのですが、どこも予約が殺到していて受け入れてもらえませんでした。ビザ申請センターでの申請は、オンライン申請書を記入・提出し、申請日を予約して、予約した日時に提出書類を持って行きます。私が申請したときはビザの発行が再開されたばかりで予約が1か月以上先まで埋まっていましたが、4月末に無事予約が取れ、申請することができました。

・航空券・高速鉄道の予約

私は関西空港から上海まで飛行機で移動し、上海から曲阜東駅までは高速鉄道を利用しました。高速鉄道は当日に駅で切符を購入することも可能ですが、私が渡航した日は中国の連休中で当日券が売り切れてしまう可能性があったため、trip.comというアプリで事前に予約しておきました。少し手数料がかかりますが、日本のクレジットカードで購入でき、窓口でのやり取りもなくなるのでおすすめです。乗車する日の15日前から購入できます。

中国の高速鉄道は乗車する前にX線検査があります。私は渡航前に荷物を準備する時、飛行機に持ち込めないものや預けられないものは確認していたのですが、高鉄の規定は確認しておらず、虫よけスプレーを没収されてしまいました。高圧ガスの入ったスプレーは100mlまでしか持ち込めないそうです。

・VPN

中国はインターネットの規制が厳しく、LINEやInstagram、Googleなど日本で普段使っているアプリはほとんど規制の対象です。使用するためには、VPNを契約する必要がります。私は、MillenVPNというところで契約しました。渡航前にスマホとパソコンの設定を済ませておくといいと思います。

到着後

・SIMカードの購入

銀行での口座の開設や、アプリや電子決済の登録などで中国の電話番号が必要になるため、まず初めにSIMカードを購入しに行きました。たくさん番号が並んでいる中から好きなものを選び、その場で100元支払いました。通信制限にかかるとその都度追加で料金を支払う必要があるそうです。2か月たった今はまだ問題なく使えています。

・銀行

次に大学内にある銀行へ口座の開設に行きました。手続きの際にはパスポートと身分証番号が必要です。身分証番号は、日本のマイナンバーを見せると手続きできました。私はまだマイナンバーカードを作っていなかったので、マイナンバーが記載されている住民票を渡航前に発行しておきました。中国の電話番号も聞かれるので、事前にメモしておくとスムーズです。携帯や銀行の手続きは中国人の学生の方がついてきてくれたので、とても安心して行うことができました。

・電子マネーの登録

中国で買い物する際、支払いは電子マネーが主流です。銀行口座と電話番号の手続きが済むと登録できます。主に使用するのはWeChat payと支付宝です。電子決済の登録をしてからは現金やデビットカードはほとんど持ち歩きませんが、大学の近くのスーパーは現金が使えたので電子マネーを登録する前やお札をくずしたいときも利用できます。

・外国人体格検査

この検査は日本の国立・公立病院や日中友好病院または中国で受けなければならないものです。検査を受けその書類を留学先の学校に提出します。

渡航前に、曲阜師範大学の先生に聞いたところ、中国で検査に行くので日本で受ける必要はないと言われたので、日本では受けていません。曲阜に到着した次の週に先生に付き添ってもらって受診しに行きました。中国での受診の費用は390元(日本円: 約8000円)でした。

証明写真が二枚必要なので、日本で印刷しておくと安心ですが、スマホにデータがあれば大学の近くで印刷することもできます。

留学生活について

・授業について

授業は口語、閲読、写作、総合、HSKの5科目です。クラスを振り分けるテストなどはなく、同じ学期に留学している8人の学生と一緒に授業を受けています。一日2科目の授業があって、8時に始まり12時には終わります。宿題が多く、私にとっては授業のレベルが少し高いので、午後は宿題と予習に追われています。どの科目も授業の時間に教科書の文を音読しなければならないのですが、県大の授業で使っていた教科書のようにピンインが書いてあるものではないので、読めない単語を調べていると日が暮れます。

HSKの授業は、HSK5級の問題を解きます。私はHSK4級の勉強中なので少し難しいです。授業以外でもHSK何級持っている?と聞かれることが多いので留学前に受験しておけばよかったと思っています。教科書は4冊合わせて300元で購入できました。

時間割
教科書

・テストについて

6月20日、21日に期末テストが行われました。試験の時間割が発表されるのが試験の2日前とギリギリで少し不安でしたが、教科書の内容を復習しておけば解ける内容でした。テストの前の週の授業はほとんど自習で、テスト前日は休みだったので勉強時間は十分に確保できました。

・寮について

寮の部屋は毎年県大生が使う部屋なので、生活に必要なものがかなり揃っています。私が持って行くか迷った、ストレートアイロン、ドライヤー、延長コードは部屋にありました。

前期が終わったタイミングで寮の支払いがあり、私は5月~7月の3か月間利用して、1740元(日本円: 約35000円)支払いました。

おわりに

留学の申し込みを決めた時は、新型コロナウイルスの影響で現地に行くことは難しいかと思っていましたが、無事に渡航することができ、2か月間ほとんど規制のない留学生活を送ることができています。中国に来たばかりの時と比べて、友達や先生の話も少しずつではありますが、理解できるようになりました。早くも前期の授業が終わってしまったので、夏休みを楽しみつつ、前期の間に学んだことを忘れないように勉強にも励みたいと思います。