センター大学 国際文化学科4年 渡邉謙伸 <4号 2020年3~4月>

はじめに

 アメリカのセンター大学でも徐々に気温が暖かくなり春に近づいてきたのが気温の変化や新たな植物が生えてきたことにより感じられます。今回は3月4月の出来事について紹介します。


つぼみが開きかけています。

授業について(通常授業→オンライン授業)

 3月の中旬までは、今まで通りの通常の授業を大学で受けていました。この時期はセンター大学では中間試験が行われ、少し勉強モードにセンター大学は入ります。その後にSpring Breakという短い春休みがありました。期間は約1週間と少しといったところです。
 しかし、みなさんもご存じの通りコロナウイルス拡大の影響でセンター大学もこの時期から拡大防止のため、オンラインでの授業へと切り替わっていきました。ここではそれぞれの授業でどのように変化していったかについて書きたいと思います。

ARS 250-a Introduction to Photography
 写真学についての授業で、通常授業の時にはパソコン室みたいなところで毎回授業を受けていました。主に、写真を撮ってそれを編集して印刷し課題として提出します。中間試験として写真学の簡単なテストもありました。オンラインになってからは、パソコン室を使用することができなくなったので、授業の形は大きく変わりました。この授業では主にInstagramを使って写真を撮影し、投稿するのがメインとなりました。離れていてもお互いの撮った写真を共有できて、新しい授業のスタイルだと感じました。最後にはプレゼンテーションの発表を行います。

DRA 115-a Intermed. Modern Dance Technique
 現代ダンスをする授業です。通常授業では、みんなで集まってダンスを練習していました。予定では学期の最後にパフォーマンスをする予定でしたが、中止となりました。オンラインになってからは、離れているのでみんなで踊るといったことはできませんでしたが、先生が様々な種類のダンスの動画やデータを送ってくれて、それを見て真似をして動画を自分で撮影し課題として提出していました。

DRA 134-a Foundation of Dramatic Lit. Ⅱ
 演劇の作品を学ぶ授業です。通常ではクラスに行き事前に作品を読んでみんなでディスカッションをしていました。オンラインになってからは、Zoomで一斉授業は行わず、先生が自身で撮った授業内容をクラスボードにアップしてそれを後で視聴することをしました。内容は通常授業のこととほとんど変わりませんでしたが、授業形式が変わりました。

ENG 170-a Topics in Writing
 英語の文法やレポートの書き方などを学ぶ授業です。通常授業では、演劇の授業と同様にクラスで事前に出された課題内容についてディスカッションをしていました。オンラインになってからは、一斉授業や先生からの動画の配信は行わず課題を行い提出しました。

MUS 183-a Centre College Choir
 コーラスの授業で、通常ではみんなで集まって歌の練習を行って学期末にはパフォーマンスを行う予定でした。みんなで集まって歌うことがこの授業の楽しいところだったので、みんなで取り組むことができなくてとても残念です。オンラインでは、先生が楽譜を送ってくれてその曲を個人で練習して動画を先生に送信しました。

MUS 232-a Music History, Form and Analysis
 音楽の西洋歴史についての授業です。通常授業では教科書を読んで予備知識を身につけて、先生が追加事項を伝えることを行っていました。オンラインになるとSkypeをしようしてオンラインでのクラスを受講しました。最終課題として、音楽に関するプレゼンテーションを作成することとレポートを作成する課題がありました。

緊急帰国と友達との別れ

 Spring Breakの途中でアメリカでのコロナの拡大が話題となり、授業もSpring Break明けはしばらく行われずオンライン授業への移行期間となりました。密集を避けることからオンライン授業が決まると同時に多くの学生が自分の家へと帰っていきました。現地の学生も驚いたり、混乱していたりと学校内はコロナの話題でもちきりとなっていました。今後どうしようか悩んでいたところ、友達が「うちの家に来ないか?」と誘ってくれました。コロナの状態で他人を受け入れるのが難しい状態であるのにも関わらず、優しい声をかけてくれました。本当にその友達には感謝をしています。悩んだ結果、その友達のお誘いにのって友達の家があるTexasに行くことを決意しました。そこでオンライン授業を受けようと考えていました。センター大学にいるみんなと別れを告げて、Spring Break期間中にセンター大学を出発し、Texasへと向かいました。向かう道中で様々な事情があり、友達の家ではなく、友達のお兄さんの家に行くことになりました。
 お兄さんの家では、オンライン授業に向けての準備をして、家の掃除や庭の手入れなど手伝えることがあれば積極的に行っていきました。そのようなことを行っていた最中に、県立大学から連絡があり緊急帰国をすることになりました。そこから急いでチケットをとり、帰国に向けての準備を急いで行いました。その時に、友達や友達のお兄さんが帰国の準備を手伝ってくれました。改めて、こんな状況の中で助けてくれる友達や関係者の人たちの有難さを感じました。そして3月末に、日本へ帰っていきました。


友達のお兄さんの家です。自然がきれいなところでした。

名前は忘れましたが、動物たちもたくさんいました。

最後に

 今回、交換留学がこのように終わってしまい、悔しさと悲しさが残っており、もっとアメリカでの生活を楽しみたかったという強い思いがありますが、今回このような緊急の事態となり留学が困難な状況でした。特にアメリカは徐々に感染者数が伸びていき、多くの人から心配の声をもらいました。それと同時にこの留学を行うにあたって、多くの人の支えや協力があってできた留学だったのだとも感じました。その人たちの支えがなければこの留学は行われませんでした。このような形で終わったことは残念ですが、その中でも普段なかなか気づくことができない「支えてくれる関係者や仲間の存在」に気づくことができました。今回の事態に協力してくださった方々に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。


帰りの飛行機からの写真です。成田周辺で撮りました。