ビショップス大学 国際文化学科3年 西中愛美 <1号 2023年9~10月>

はじめに

8月27日から始まったカナダ生活も約2ヶ月が経過しました。この2ヶ月は本当にあっという間で、宇部空港を経ったのもついこの前のようです。留学体験記を書くにあたり、留学という夢を応援してくれた家族、支えてくださった友人、大学関係者の皆様沢山の方々に感謝の気持ちでいっぱいです。

講義

私は秋学期に以下の4つの講義を履修しています。

ENG100 Introduction to English Studies

この講義はEnglish専攻の学生向けで、詩・短編小説・短編映画の分析の方法を学習します。毎週シラバスに沿ってリーディングとライティングそしてショート動画の視聴課題が課せられます。予習をすることで授業の理解度が上がっていきますが、教授2名の離すスピードや学術的な単語を理解するのに時間がかかっています。中間試験は、詩の分析を文章で書かなければならなかったので、一緒に履修している友人達とテスト対策をしましたが、良い点数を取ることが出来ませんでした。そのため、期末試験やレポートで巻き返すことが出来るよう勉強に励んでいます。

ESL110W Introduction to English for Academic Purpose I

この講義は第二言語習得者向けで、文章の書き方について学習します。引用の仕方や要約の仕方など、山口県立大学のアカデミック英語Ⅲに近い講義内容です。課題は、教科書の予習とALKのような英語学習ツール、そして講義の復習です。中間試験は、与えられた文章を要約するというものでした。初めての3時間の講義なので、慣れるのは大変でしたが毎回1回以上発言をすることを目標に努力しています。

ESL125 English Phonetics and Pronunciation

この講義も第二言語習得者向けで、英語の音声の仕組みについて学習します。山口県立大学の英語音声学に近い講義内容です。課題は、教科書に附属の問題に答える事のみです。しかし、時々自分で書いた文章または教授が制作した文章を読み、録音したファイルを提出する課題が課されます。私は一回目の課題で良い点数を獲得することが出来なかったので、2回目からは友人に頼んでシャドーイング練習をしてもらってから提出するようにしています。この講義も3時間なのですが、教授が優しくユーモアに溢れた人なので毎時間とても楽しく音声学を習得することが出来ます。

JSE150 Japanese Society and Culture

この講義はオンデマンド授業で日本の文化について学習をします。課題は、毎週30~60ページの文章を読み数個のビデオを視聴して、500ワードの自分の意見と他の学生の意見に200ワード程度で投稿するというものです。私はビショップス大学の講義についていけるか不安ということと、海外から見た日本の文化に興味があり履修しました。リーディング課題は大変ですが、日本人の集団意識や礼儀、日本のアニメ文化に対して他の学生がどのように考えているのか知ることができ、とても興味深いです。

日本語の初級クラスの聴講(ボランティア)

以上の4つの講義に加えて、教授にお願いをして毎週1回程度日本語初級のクラスの聴講をさせていただいていています。私は現在山口県立大学で日本語教員養成課程を履修中で日本語教員として日本語を教えることに興味があります。そのため、講義中は学生の質問に答えたり、難しいところを教えたりしています。日本語を英語で説明することの難しさや、私達が普通の物として使用している日本語について説明することの難しさを痛感し、将来に向けてとても良い勉強になっています。

寮生活

私は、Pollackという寮で生活しています。寮の部屋は一人部屋で、シャワーとトイレは男女共用です。日本ではなかなか男女共用のバスルームを使用する機会がなかったので驚きましたが、慣れるまでに時間はかかりませんでした。寮の中に1つの冷蔵庫と電子レンジしかないのは玉に瑕ですが、寮内は静かで図書館や教室に近いのでとても過ごしやすいです。ルームメイトはいないのですが、ご飯を一緒に食べたり定期的にあって話をしたりする友人が沢山出来ました。

大学生活

隔離中の食事
隔離中の食事

私は、この二ヶ月のカナダ生活の中で辛いことも楽しいことも沢山経験しました。一番困難に感じた事は、カナダに渡って2週間目に新型コロナウイルスに感染してしまったことです。新型コロナウイルスへの規制は緩和されてきたものの、感染リスクを下げるために大学内の保健室を利用することが出来ませんでした。陽性でも、熱がなければ隔離無しで講義に出席したり、食堂に行ったりすることが出来ますが、私は高熱が1週間続いたので隔離生活を強いられました。私はミールプランに入っていたため、隔離期間中は食堂の職員の方が3食部屋に届けてくださっていたのですが、肉炒めやクッキー、ミニにんじんの詰め合わせ等だったため食べきることが出来ませんでした。さらに、私が陽性と判断されたのは丁度一回目の講義が始まる週だったため、高熱の辛さよりも精神的に大きなダメージがありました。

隔離期間が終わっても倦怠感は続き、普通の生活が送れるようになるまで1ヶ月半はかかりました。新学期が始まって2週間目の出来事だったため、講義や生活など困った事があったとしても、誰かに助けを求めたり相談したりすることを申し訳なく感じ「人に助けを求めること」がいかに難しいかを実感しました。しかし、久しぶりに学校生活が送れるようになった時に「マナミ大丈夫だった?助けが必要だったらいつでも言ってね!!!」、「大丈夫!今は絶対に身体を元気にするのが大切だからしっかり休むんだよ!!!」と言って支えてくれる友人達のおかげで、今では元気に大学生活を送っています。

西中さんと友人
夕食後みんなで

日常生活

放課後や休日は友人達と食堂でご飯を食べたり、学校の行事に参加したり、Shrbrookeにあるショッピングモールに行ったりしています。私が日常生活で一番好きなのは、友人達と一緒に夕飯を食べる時です。アメリカ・インド・日本と出身国や文化的背景がそれぞれ違うのですが、英語という言語を通じてたわいもない会話でお腹を抱えるくらい笑いあえる時に異文化学習や英語を学習することの素晴らしさを日々感じています。

友人のご家族と西中さん
友人のご家族と

中間試験が終わるとStudent Success Weekという一週間の休日があるので、2泊3日でアメリカのニューハンプシャー州まで旅行をしました。産まれて初めてのアメリカ、陸路での国境通過など初めての経験ばかりでした。ニューハンプシャーで特に印象に残っているのは、紅葉に囲まれた湖の美しさと、ダイナーというイーストコーストの庶民的な朝食レストランのご飯のおいしさです。滞在中は友人の実家に泊めていただき、温かいご家族と2匹の犬達と一緒に過ごしました。犬はIrish Wolfoundsと言う犬種で、座ると154cmで私よりも大きく驚きましたが、とても温厚で可愛かったです。2泊3日という短い期間でしたが、本当の家族のように接してくださり、アメリカを離れるのはとても名残惜しかったです。

ダイナーのごはん
ダイナーのごはん
友人の犬と西中さん
友人の犬とわたし

おわりに

留学生活も2ヶ月が経過し学んだ事は2つあります。1つ目は、「人に助けを求めることの大切さ」です。日本を離れて、母語の通じない場所で生活をすることは、簡単なことではありません。毎日楽しいと思っていても、無意識のうちにストレスを抱えていたり、突然分からないことが降ってきたりと沢山の困難があります。そんな時に、一人で抱え込むのではなく、勇気を出して周りの人に助けを求めてみることで、すぐ問題が解決することもあります。2つ目は、「時間の管理の大切さ」です。大学生活が充実してくると、勉強の時間、友人との時間、一人の時間、どの時間を優先させるべきか悩むことも多くなりました。

勉強の時間を取り過ぎるとストレスが溜まってきてしまい、友人との時間を大切にしすぎると課題の進度がゆっくりになってしまうので、配分が難しいです。今は生活に慣れてきたので、だいぶ自分に合った時間配分の仕方が分かり、充実した生活を送れるようになってきています。

ハロウィーンパーティー
ハロウィーンパーティー

留学生活もあと6ヶ月。これからさらに自分の価値観が変わってくることや、落ち込むこともある事もあるかもしれませんが、自分自身の変化を楽しみながら生活が出来るようにこれからも努力していきます。

紅葉の写真
紅葉がきれいでした
壁画と西中さん
壁画に紛れ込んでみました