ビショップス大学(2018年度日本語TA)国際文化学科4年 松尾彩花 <2号 2018年11~12月>


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はじめに

 ビショップス大学で働き始めて4か月が経ちました。この2か月は生活にだいぶ慣れ、それと同時に新鮮さが減ってきて、自分の自主的な行動がより重要になる期間だったと思います。今回は、授業内容、ミニコンサート、英語力、冬休みの過ごし方について述べます。

授業について

 だいぶ慣れてきたとはいえ、授業の時は少なからず緊張します。そして毎回この教材はうまくいくかどうか、この教材が一番適切だったかなど考えてしまいます。しかし学生の日本語力を向上させたい、日本の文化にもっと興味を持ってほしい、1人でも多くの学生に日本に留学してほしいという目標を思い出すことで目の前の不安や恥ずかしさを乗り越えることができました。
 また9月と10月は教科書通りのペアワークを用いることが多かったですが、毎回同じ相手とのペアワークはマンネリ化しているように思えたので、11月はタスク的な教材を作成するように心掛けました。すると今まで眠そうな顔で授業を受けていた学生が前のめりで授業を受けるようになったなど、目に見えて変化を感じました。少しの工夫でも学生の興味や関心をそそり、かつたくさん日本語を使う機会を与えることが可能であると気づきました。  また、自分自身が教えていて楽しいと思える教材を準備することが、学生の興味関心をそそる授業づくりにつながることも実感します。新鮮さや面白さを意識しつつ、学生たちに授業の中でより多くの日本語を使わせるような教材づくりを心掛けたいです。
 そして学生の小さな反応や少しの変化に気づくことが、TAの重要な役割の一つだと考えています。秋学期は学生一人一人のその日の様子や質問されたところ、小テストや宿題の間違い方などをノートにまとめてきました。机間巡視の際に参考になることもありましたが、冬学期は自分の気づきだけでなく、学生との会話やコミュニケーションを増やし、その中で得たヒント等を教材づくりや授業の進め方に生かしていきたいと思います。

ミニコンサート

 11月末に日本語合唱クラブのミニコンサートが開催されました。メンバーは全員で6人と多くはありませんが、日本語の授業をとっている学生や友人が私たちの合唱を聴きに来てくれました。決して大規模なコンサートではありませんが、アットホームな雰囲気で日本語の歌を歌い、それを聴いてもらう経験はとても刺激的でした。冬学期には3回コンサートを控えており、日本の歌だけでなくフレンチカナディアンの曲も歌う予定なので、より一層日々の練習に力を入れていきたいと思っています。

コンサートのリハーサル

英語力

 休日は毎週ダンスを練習している友人たちと各自が準備したご飯を持ち寄ってパーティーをしたり、クラスの学生の家にお邪魔して、家族と一緒に食事を楽しんだりしました。授業中はなるべく英語を使わず、学生に質問されても日本語で答えるようにしているので、平日は英語を使う機会がそんなに多いとは言えません。そのためカフェテリアでの食事の際や、休日にはなるべく英語を話すようにしています。今は発音や文法のちょっとした間違いは気にせずに話すという第一関門はクリアして、自分が伝えたいことはほとんど相手に伝わるようになってきました。最近は自分でも伝えるコツをつかんできたような気がします。今まではロボットのように頭の中で必死に単語を並べ、ただただ口から出すような英語でした。しかし今は自分の感情をわかりやすく表したり、一番伝えたいことはゆっくり、はっきり話したり、わからない単語はジェスチャーを使ったりして、スムーズに会話を楽しめるようになりました。  英語力の向上に力を入れている私ですが、やはり英語は単なる手段に過ぎず、その目的はコミュニケーションだとひしひしと感じています。コミュニケーションの中では私は「話す」よりも「聞く」比率が多いので、今期は何を話せるか、何を伝えることができるかに焦点を置いてコミュニケーションを楽しみたいです。

持ち寄りパーティーで様々な国の料理を食べました

クラスの学生のお宅に呼ばれました

冬休みの過ごし方

 秋学期の授業は11月で終了し、12月半ばに期末試験が終了しました。期末試験後の採点や成績処理を行い、私の冬休みは12月17日から始まりました。ここの学生は試験が終わると家族とクリスマスを過ごすため、帰省する人が大半でした。私は北米のパリと呼ばれるケベックシティやカナダ最大の都市であるオンタリオ州のトロントへ旅行しました。トロントは、カナダに来て初めてケベック州を出て訪れた英語圏の地域だったので、街の雰囲気がケベックとは違い、標識や公共交通機関などのアナウンスが一気に英語に変わるという体験や罪悪感なく英語を使えたことがとても新鮮でした。
 クリスマスは友人の家族と共に過ごしました。クリスマスツリーの下に並べられたたくさんのプレゼントやディナーで食べた北アメリカ定番のターキーは、今まで過ごしてきたクリスマスとは全く別物でしたが、家族がそろって過ごす時間にお正月を思い出すような懐かしさもありました。

ケベックシティの街並み

おわりに

 1月9日から冬学期が始まりますが、これからの4か月間もこれまで通り後悔のないように過ごしていきたいです。