釜山大学校 国際文化学科4年 金光愛莉 <最終号 2023年11~12月>

はじめに

約10カ月間の交換留学を終え、留学体験記も最終号となりました。今回の体験記では、11月、12月の過ごし方と留学を終えての感想を述べたいと思います。

学校生活

【期末考査】

12月中旬から、期末考査が行われました。卒業論文と両立しながらではありましたが、おそらく学生生活最後の試験期間になるなと思い、気合を入れて勉強しました。前期の方が科目数は多かったのですが、後期は韓国人学生に混ざって聞く授業が多かったので、今学期の方がより勉強量は多く、大変でした。

私が一年間履修した授業の中で、特に聞いてよかったなと思うものを4つ紹介したいと思います。履修登録で迷っている方がいればぜひ参考にしてみてください!

①유학생을위한한국역사와문화(留学生のための韓国の歴史と文化)

歴史の授業は少し難しい印象を持ちがちですが、この授業は名前の通り留学生を対象とした授業なので、ゆっくり、きちんと理解しながら韓国の歴史について学ぶことができます。

②한국문화의이해(韓国文化の理解)

韓国の文化について幅広く学ぶことができます。授業後半では、一人約20分の発表が設けられ、学生同士でしっかり意見交換ができました。

③노래로배우는한국어(歌で学ぶ韓国語)

最近流行っている歌から民謡まで、幅広いジャンルの歌を歌いながら韓国語を学ぶことのできる授業です。教授も気さくな方で、簡単なグループワークも多く、みんなで和気あいあいとしながら授業を受けました。

④한국의역사와역사인식(韓国の歴史と歴史認識)

前期で유학생을위한한국역사와문화(留学生のための韓国の歴史と文化)の授業を通して韓国の歴史について学び、もう少し詳しく学びたいと思ったのでこの授業を履修しました。韓国人学生の中に外国人は私一人で、内容も難しかったですが、教授も優しく、学びがいのある授業でした。

【卒業論文】

10月から12月上旬にかけては、卒業論文の制作でとても忙しく過ごしました。4年次の留学は、就職活動と卒業論文の制作を同時に行わなくてはならない点が大変でした。4年次での留学を考えている方は、就職活動や卒業論文の制作との両立や、ゼミが週に一回オンラインであるという点も考慮して履修登録を行い、スケジュールをしっかり管理する必要があります。留学先で卒業論文を書くにあたり、就職活動と同様に、周りの進行状況が把握しにくいことや、困ったときにすぐに相談したり解決したりできないことが難点でした。しかし、同じゼミの友人とSNSを通して頻繁に連絡を取るように心がけ、ゼミの友人や先生が気を遣ってくださったおかげで、なんとか書き終えることができました。また留学先から卒業論文を提出する場合は、代理での提出になるので、事前に大学側に連絡をしておきましょう。

【TOPIK試験】

11月12日に、韓国でTOPIKを受験しました。日本で受験した際には、受験票が自宅に届いていたのですが、韓国ではHPから自分で受験票を印刷し、試験当日持参するという感じでした。その他持ち物等は、日本で受験する際と変わりありません。結果は約1か月後の12月21日からオンラインで確認可能でした。

帰国準備・退寮手続き

今学期の入寮期間は、12月21日まででした。延長する場合は、夏季休業の時と同じように申請すれば1か月ほど帰国を延長することもできたのですが、卒業論文の発表や就職に向けた準備等の関係で延長はせずに12月21日に帰国しました。期末考査と並行して帰国や退寮の手続きを行わなければならなかったため、かなりバタバタしました。

帰国に向けて一番不安だったことは、荷物をどう持って帰るのかという問題でした。一時帰国をした際に少しずつ持ち帰ってはいたのですが、それでも荷物が収まりそうになかったので、郵便局から郵送することにしました。郵便局は校内にあり、段ボールもそこで購入することができます。私は19日に期末考査が終わり、そこから荷物を準備したため、かなりバタバタしました。同じ時期に帰国する外国人や実家などに帰省する韓国人も多く、郵便局も混雑していたりするので、時間に余裕をもって早めに荷物をまとめておくことをお勧めします。私は5号の段ボール二つをEMS(国際スピード郵便)で日本に送りました。

退寮の手続きは、事前にオンライン上で退寮の手続きを行い、当日は退寮の申請書と共に部屋の写真を撮り、その写真を管理人に見せるという流れでした。私はルームメイトと帰国日が同じだったので、手分けして部屋の掃除を行いました。また入寮した際にベッドに掛けてある灰色のカバーは、退寮時に被せた状態にしないといけないので、捨てないように保管しておいてください。手続き自体は割とスムーズに終えることができました。

帰国準備の様子1
帰国準備の様子2
帰国準備の様子3
→写真真ん中のように写真を撮ります。

留学を通して

私にとってこの留学生活は、人生の最高の宝物になりました。留学前に、語学力だけでなく、物事に対する積極性や自己主張といった人間性も向上させたいと目標を掲げていました。実際に留学を終えた今、一人の人間として成長することができたと感じています。

まず、語学力の面ではその言語の環境下に身を置くことが、語学力アップの一番の近道だと実感しました。新型コロナウイルスの影響で語学研修はもちろん、留学も一度中止になってしまい、生の韓国語を聞く機会も話す機会もあまりありませんでした。しかし留学では、目にする言葉も、耳にする言葉も、当たり前ですが韓国語です。ネイティブに囲まれ、日々韓国語のアウトプットを繰り返すうちに、段々と語学力が上がっていくのを自分でも感じることができました。

次に、自己主張をするという点から、私自身は最も成長したなと感じています。遠回しな表現の多い日本語に比べると、ストレートな表現が多いと言われる韓国語ですが、実際に会話の中で「あなたはどう思う?」と、意見を求められることも多々ありました。日本にいる時は意見を求められても、どちらかというと調和を意識して、自分の本当の意見よりも周りに合わせてしまったり、遠回しに伝えたりすることが多かったです。しかし留学の中で自分の思いを素直に相手に伝えることで、お互いの理解を深め、物事をより良い方向へと導くことができるということに気が付きました。さらに自己主張ができるようになったことで、自然と物事に対して積極的にチャレンジしたいと思うようになりました。私が留学生活の中で感じたのは、自分の行動次第で留学の質が変わるという事です。留学したからと言って、何も行動を起こさず受け身のままでは、何も成長することができません。転がっているチャンスをどれだけ自分のものにできるか、そのためにどう行動するのかが、とても大切だと感じました。限られた時間の中で、自分にできることを日々考えながら生活することで、一日一日を大切に、充実した時間を過ごすことができたと思います。

さらに、私は留学前から日常生活に支障のない程度の韓国語はできたので、大きな不安を感じていませんでした。しかし、韓国で初めて「外国人」として生活をする中で、当たり前にできていたことがスムーズにできないもどかしさを感じました。「外国人」としてのハンデを感じる度にどこか疎外感を感じたり、ストレスを覚えたりしたこともありました。しかし、それと同時に今まで当たり前にできていた些細な事に感謝することができるようになり、周囲への感謝や配慮を怠らないようにしようと思うようになりました。一人で韓国へと渡り、韓国人はもちろん多国籍の人々と出会い、たくさんの人の優しさに触れ、助けられながら最高の留学生活を送ることができました。4年次での留学に不安を感じていましたが、常にサポートしてくれた家族や友人、大学の方々、バディ、韓国で出会ったすべての友人に、この場を借りて感謝の気持ちを伝えたいです。留学生活を通して出会った友人との思い出や経験は、私の人生の宝物です。この気持ちを忘れず、経験を糧にして、今後も向上心を持って自分自身をより成長させていきたいと思います。

バディとルームメイトと찜질방(サウナ)に行った時の写真
乾杯の様子
友人がプレゼントしてくれたケーキや手紙
→写真左は、バディとルームメイトと찜질방(サウナ)に行った時の写真です。また、帰国が近づくにつれて、ケーキや手紙を多くの友人がプレゼントしてくれました。

おわりに

まだまだ始まったばかりだと思っていたら、時間はあっという間に過ぎていき、約10カ月の留学が終了しました。やり切ったという反面、さみしさと少しの名残惜しさを感じています。しかし、心の底から留学に行ってほんとうによかったと実感しています。5回に渡って留学の様子をお伝えしてきましたが、留学を予定している方や目指している方の、助けや参考になると嬉しいです。ありがとうございました!