ナバラ州立大学 国際文化学科3年 松本玲奈<1号 2023年9月~10月>

ビザ申請

スペインへ長期滞在するためのビザを取得するのに、申請と受け取りの二回ほど東京へ行きました。ビザの申請に必要な健康診断書ですが、山口市、防府市、岩国市の病院に手当たり次第電話をかけて確認をしましたが、スペイン用の健康診断は受け付けていなかったり、問診のみで終わるはずの健康診断に血液検査が必要と言われたりしたので、広島県にある渡航外来のある病院で書いてもらいました。私は六月の上旬頃に申請をしたのですが、七月はスペインで大きな選挙があり、手続きができないとのことで結局受け取りは八月の上旬頃でした。スペイン大使館は平日の12時30分までしか空いておらず、結構な人数が並んでいるので、早めに向かうことをお勧めします。また、スペイン大使館の電話は繋がりにくく、私も何回か問い合わせのメールを送りましたが一回も返事が返って来なかったので、あまり期待はしない方がいいかもしれません。

さらに、スペインに到着した後もビザ関係(TIE)の申請を行う必要があり、26mm×32mm 背景白の顔写真が必要になるのですが、パンプローナでは写真を撮れる場所が少ないので日本で撮って持って行くことをお勧めします。

渡航

私はどうしても渡航費を削りたかったので、中国とフランスを経由し、バルセロナに行く大変乗り継ぎの多い便に乗りました。途中のフランスではシャルル・ド・ゴール国際空港からオルリー国際空港まで電車を乗り継ぎ移動したのですが、直通のバスがコロナ禍の影響で廃止されていたことを現地についてから知ったので冷や汗をかきました。入国検査は中国とフランスで行いましたが、特に機内などで書かなくてはいけないものはありませんでした。バルセロナ空港についたら、まず空港内にあるvodafoneというショップで携帯のSIMカードを変えてもらいました。その場で買ったSIMは四週間使用可能で、毎月vodafoneのサイトにログインしてチャージして使っています。空港内はWiFiが使えるのですが、SIMカードを交換してもらったらその場で一度WiFiを切ってモバイル通信が使えるかを確認することをお勧めします。バルセロナ国際空港からパンプローナまでは「Renfe」という電車と地下鉄を使って移動しましたが、チケットの仕組みが全く分からず、駅の窓口の人に頼んで購入することができました。「Omio」というアプリで予約することができるのでそっちで予約する方が楽だと思います。

滞在

パンプローナに到着して十日間ほど大学付近のドミトリーで過ごしました。日本のカプセルホテルのようなドミトリーで男女が分けられていないタイプでしたが、私は快適に過ごすことができました。一泊約22€程でした。

九月一日からは大学の寮に住んでいます。今年中はこの寮にいるつもりですが、円安の影響で月約10万円(624€)ほどかかるので、一月からはピソ(シェアハウス)を探そうと考えています。夕飯や、ルームサービスについてもオプションで付けることが可能ですが、私は節約もかねて自炊しています。また、コインランドリーが寮内についており、洗濯機、乾燥機それぞれ1.5€で利用できますが、基本カード払いのみです。

勉強

ナバラ州立大学で行われたオリエンテーションの後、留学生のスペイン語のスキルを測るテストが行われました。文法についての選択問題と「手紙」がテーマの自由記述問題という内容でした。その後、レベル別に分けられ一週間授業を受けました。私はA1クラスで、基礎的なスペイン語の文法や単語、スペイン文化を学びました。

本格的に秋学期が始まってからはスペイン語のA1A2と英語を履修登録しました。私のスペイン語は単語力がまず足りていなかったので最初は授業が全く理解できませんでした。しかし、二か月たった今、前よりは理解できていると思います。英語のクラスでは、ほとんど授業が英語で行われるので理解しやすいです。自分の意見をペアやみんなの前で発表することが多く、今期は私以外ほとんどスペイン人しかいないので、日本ではどうなの?と結構な頻度で聞かれます。

生活

身の回りの生活用品はラ・モレアという大型ショッピングモールや、その付近にあるIKEAなどで購入しました。ラ・モレアの中にあるプライマークという店は、格安の服や日用品が売ってあります。寮からは徒歩で約三十分の場所にあるので、荷物が重くなった時などはバスを使います。バスはどこまで乗っても1.5€で、TABACOというコンビニのような店でバスカード(プリペイド式)を買うともっと安く乗ることができます。

今年度はナバラ州立大学に日本からの留学生は私一人でした。私は中国人と台湾人の友人とともに行動していましたが、私以外は中国語を話しており、私と話すときのみ英語かスペイン語で話してくれていました。他の留学生も基本的にフランス語やドイツ語などの母国語が共通の人同士で話しており、何かわからないことや困ったときに母国語で相談できる相手が自分だけいない、というのは想像以上にストレスでした。留学生との交流は英語がある程度話せれば何とかなると考えていた私は、そもそも英語を話す人が少ないということを考えていませんでした。

そこで私は、一人でいる時間を少し増やしました。私は自分の伝えたいことをうまく言葉にできないことや、そこからくる孤独感にストレスを感じていたので、休日や平日の暇な時間に日本にいる友人や家族と話すことにしました。すると、以前のような焦燥感は圧倒的に減りました。せっかく留学に来ているのだから様々な経験をするべきなのは事実ですが、自分の限界値を理解し、焦らないことの大切さを実感しました。

まだまだ困難に躓いてばかりですが、この困難を経験しに留学に来ているのでこれからも励んでいこうと思います。

以下写真です。

1. 寮の窓から見た風景

寮の窓から見た風景

2. ファミリー用しか売っていないスーパーのアイスコーナー

スーパーのアイスコーナー

3. ハロウィンの夜の市街地

ハロウィンの夜の市街地