ラップランド大学 国際文化学科3年 秋田桃花<1号 2022年9~10月>

到着後

 8月初旬に日本を飛び立ちフィンランドで生活を始めて、驚くことに早3ヶ月が経ちました。ロヴァニエミ空港についたときはヘルシンキ空港にいたときに比べて少し肌寒く感じましたが、半袖Tシャツの上に上着を羽織るくらいがちょうどいい気温だったと思います。8月の間は、白夜の終わりかけ頃であったため、深夜まで外が明るいという貴重な体験をしました。大学の近くにセカンドハンドショップがあるので、そこで食器や布団カバー、服などほとんどの日常生活に必要なものは安く揃えることができるのでお勧めです。また、自転車なども中古のものを購入することができる場所があるのでそこで購入しました。フィンランドでは子どもからお年寄りまで驚くほどたくさんの人が自転車で移動しています。

8月11日22:00頃の景色。この日は夜中の1時頃まで明るかったです。

ロヴァニエミ・ラップランド大学について

 ロヴァニエミという都市にあるこのラップランド大学はフィンランドで最も北に位置している大学です。この大学には教育・社会科学・法学・芸術学部の大きく分けて4つの学部があります。私は現在教育学部に所属しており、講義は主に教育、言語、文化などに焦点を当てて履修しています。どの学部に所属していても芸術学部の科目以外は基本的に自由にとることができるのであまり学部に固執される必要はないかと思います。芸術学部があるということもあってキャンパス内はとてもカラフルで、椅子や机なども北欧らしいクリエイティブで可愛いデザインになっています。大学付近にはK-marketやPrismaと呼ばれるスーパーがあり比較的安くものを購入することができ、またサンタクロース村へも自転車で行くことができる距離にあります。

学校・日常生活

 学校が本格的に始まってからの1か月は本当に風のように過ぎ去っていきました。キャンプファイヤーや"Sit Sit"と呼ばれるフィンランドの伝統的なパーティー、IKEAへの日帰りツアーなど、学生団体が主催するイベントが毎週予定されており、留学生同士だけでなくフィンランドの学生との交流も図ることができます。フィンランドの大学では学部ごとに色が異なるオーバーオールがあり、イベント毎に着ていき参加した印として貰ったワッペン(購入も可能)を縫い付けるのが伝統です。講義や所属している学部など人によりますが、私の場合比較的ゆっくりとした授業スケジュールだったため、空き時間に勉強を終わらせ休日には友人とサウナやブルーベリー摘み、ハイキングやサイクリングに行きました。また10月にはロヴァニエミでは日本よりも一足早く初雪を観測しました。フィンランドのほとんどのアパートに無料のサウナがついており、ネットで予約をすることで気軽に入ることができます。とてもリフレッシュできますし、冬には厳しい寒さを乗り越えるために重宝できそうです。フィンランドはサウナ発祥の地なので是非皆さんにも体験してほしいと思います。

アパートの前で友人と作った雪だるま。

 ここに来て初めて知ったことは、フィンランドはコーヒーの消費量が世界で一番だということです。そのためほとんどの先生や学生が講義の合間や休憩時間にコーヒーを飲んでいるのが見られます。現地の学生に聞いたところ、1日平均で5~7杯飲むと言うほどコーヒー文化が根付いています。オリンピックなどの大きな大会でフィンランドの選手がメダルを獲得したときには家庭や学校、職場でコーヒーを飲みながら選手を祝福するという "metalikahvi"(メダルコーヒー)と呼ばれる慣習もあるそうです。

講義について

 1講義につき平均2~4時間で長いものだと5~6時間にわたるものもあります。初めは集中力が持たないのではないかと心配していましたが、講義を理解したり、同時に他の人の意見を聞いてディスカッションをしたりなどしているとあっという間に時間が過ぎるので心配する必要はありませんでした。集中力よりもお腹が鳴ってしまう方が心配でした。そのため長い講義がある日は休憩時間に果物やチョコなどの軽食を取ることを個人的におすすめします。
 毎日講義があるというよりも1回の講義は長いけれども、週に2,3日休みの日があったり、またある週はスケジュールいっぱいに講義があってそのあとは1週間、長いときは2週間ほど講義がなかったりということもあります。初めは集中力が持たないのではないかと心配していましたが、講義を理解し、それと同時に他の人の意見を聞いてディスカッションをしたりしているとあっという間に時間が過ぎるので心配は必要ありませんでした。集中力よりもおなかが鳴ってしまう方が心配でした。そのため長い講義がある日は休憩時間に果物やチョコなどの軽食を取ることを個人的におすすめします。講義のスタイルはレクチャー型からフィールドワーク型、ディスカッションをメインとしたものまで様々で、何より教授がユーモアのある方々が多いので講義がとても和やかで面白く、また発言しやすい環境にもあるので主体的な学びができます。
 前期はSurvival Finnish, Chinese 2, Finnish System of Education, Introduction to Intercultural Communication, Finnish Culture, Introduction to Gender Studies, People and Culture of the Arcticの7つの講義を履修しています。時間割を決めるにあたって、履修しようと思っていたものが他の講義と被ってしまうなどと非常に苦労しました。どうしても履修したい講義が被ってしまったときなどは、教授に相談すると補填課題を出してもらえたり、解決策を一緒に考えてくれたりします。また教授にもよりますが、成績が出た後、結果に納得がいかない、もっと良い成績をもらいたいときなどにはその旨を伝えると、もう一度挑戦するチャンスを与えてくれる場合があります。日本では考えたこともなかったことだったので最初は驚きましたがそれと同時に、このように学生全員に平等な教育の機会を与え、また学習に対する向上心を高めるような教育方針を導入しているということに感銘を受けました。

念願のオーロラ

 9月には人生初のオーロラをアパートのベランダから見るという夢のような経験をしました。雲や風がなく周辺が暗いなどといった様々な条件が揃うとオーロラが現れます。言葉では言い表すことができないほど美しく、息をのむような景色でした。これまで3か月過ごしてきた中で、運良く4,5回ほど見ることができました。これから寒くなっていく中で、また違った景色のもとオーロラを見ることができるのを楽しみに日々過ごしています。冬は厳しい寒さになりますが、それと比べ物にならないくらい程の価値のある素晴らしい経験ができると思います。

アパートの部屋の中から見たオーロラ。この日が一番鮮やかに見えて奇麗でした。

最後に

 自然豊かで毎日違った景色を生み出してくれるこの場所で、設備の非常に整ったこの学習環境で留学生活を送らせて頂いていることに幸せを感じています。最後になりましたが、フィンランドへの留学の機会を与えてくれた親や応援してくださった先生方、相談に乗ってくれた友人に感謝しながら、学業やその他の活動に精進して残りの留学生活を楽しみながら頑張っていきたいと思います。