ラップランド大学 国際文化学科4年 板屋花奈<4号 2023年3~4月>

はじめに

ロヴァニエミでの留学生活も終盤になりました。日本への帰国時期が近づいて、少しずつその実感が湧いてきています。ロヴァニエミも少しずつ暖かくなり道路の雪もほとんどとけて、普通のスニーカーでも問題なく歩けるようになってきましたが、まだ雪が降る日もあります。最近は、午前4時頃に日の出、午後22時頃に日の入と、毎日ものすごいスピードで日照時間が長くなってきました。まだ明るいと思って遊んでいると、いつの間にか遅い時間になっていることもあります。

スキー休暇(3月上旬)

フィンランドでは、毎年2月から3月にかけてスキー休暇という期間があり、学校や仕事が約一週間の休みに入ります。スキー場などの混雑を避けるために、フィンランド南部の地域から順番に、休暇の時期をずらしているそうです。ラップランド大学のあるロヴァニエミは、3月上旬にスキー休暇に入りました。

スキー休暇を利用して、3月3日から3月10日までの一週間、お世話になっている知り合いの方にフィンランドの国内旅行に連れて行っていただき、タンペレ・ユヴァスキュラ・クオピオ・ヨエンスーなど、国内の様々な地域を観光しました。

しかし、いきなり旅の最初からやってしまいました。私はまず一人で電車でロヴァニエミからタンペレまで向かい、そこから合流する予定でした。そのためロヴァニエミ駅までバスで向かおうとしていたのですが、ちょうどその日がストライキでバスが運行していないということをすっかり忘れていて、予定していた電車に乗り遅れてしまいました...。その後たくさんの方に助けていただき、無事タンペレで合流することができました。ストライキには気を付けてください...(笑)

それ以外は順調な旅でした。クオピオの凍った大きな湖の上でスケートをしたり、凍った湖を車で渡ったり、フィンランドらしい貴重な体験をすることができました。また、凍った湖を車で渡った時には、日本人観光客が珍しかったのか、フィンランドの国営放送Yleの方にインタビューしていただき、初めて車で湖を渡る感想を聞かれました。緊張して何を答えたかあまり覚えていませんが、貴重な経験でした。

また旅行中は、知り合いの方の繋がりで、様々な家庭に宿泊させてもらったり、ご飯をご馳走になったり、子どもたちと遊んだり、他大学の留学生とも出会うことができ、初めから終わりまでご縁に感謝する旅になりました。

湖のスケートリンク
一周7kmもある湖のスケートリンク
インタビューを受ける板屋さん
Yleのインタビュー

大学生活

3月上旬のスキー休暇が終わると、中旬からまた新しく授業が始まりました。4月下旬には、私が履修した全ての科目の授業が終わりました。現在は学期末の大量の課題に追われており、自分の部屋や大学の図書館で過ごすことが増えています。3・4月に履修していた科目をご紹介します。

・Chinese 4

秋学期のChinese 3に引き続き、Chinese 4も履修しました。受講生はChinese 3より少し多く、日本人、フィンランド人、ポーランド人の学生がいました。Chinese 2から4まで履修して、もちろん中国語の勉強にもなりましたが、毎回の授業で、その日学習した中国の文化に関してフィンランドやポーランド、日本ではどうなのか話し合う時間があり、文化比較もできてとてもおもしろかったです。ある授業では、各国のお米の調理方法の話題になり、次の授業で中国人の先生がご飯と中国のふりかけを持ってきてくれたり、中国の歌を聴かせてくれたり、とても楽しい授業でした。

Chineseの授業の様子
ある日のChineseの授業

・Gendered Education

教育現場でのジェンダー課題について学びました。ジェンダーに関連して、これまでの学校生活で経験したことを共有したり、それをもとに問題点や解決策についてグループで話し合いました。最後の授業では、それぞれの興味のあるテーマでプレゼンテーションを行いました。この授業には、フィンランド人の学生以外にも様々な国からの留学生が参加していたので、各国の教育現場の現状や考え方を知ることができてとても興味深かったです。最終課題は、個人またはグループで取り組むエッセイの提出でした。

Gendered Educationの授業の様子
ある日のGendered Educationの授業

アクティビティ

今年の4月9日はイースターでした。クリスマスなどとは違って日本ではあまり馴染みのないイベントですが、フィンランドではとても重要な祝日とされており、街の木にカラフルなイースターエッグが飾られ、スーパーではイースター関連の商品がたくさん見られて、全てが新鮮に感じました。イースターの前日にはクリスチャンの方のお家にお邪魔して、イエス・キリストの復活に関する映画を観ながらイースターの由来を教えてもらったり、イースター料理をご馳走になったり、イースターエッグ探しも体験させてもらいました。日本では体験できないフィンランドの文化を知ることができました。

イースター料理
イースター料理
Pasha
フィンランドでイースターに食べられるスイーツPasha

私はドラマや映画を観ることが好きなのですが、最近よく、同じくドラマや映画好きなフィンランド人の友人と一緒に韓国ドラマ鑑賞会をしています。ドラマの内容に関して、日本だとこうかな、フィンランドだとこうかな、と比較しながら楽しめるのでとてもおもしろいです。4月には、ついにフィンランドでも『すずめの戸締まり』が公開されたので、友人と一緒に観に行きました。会場はほぼ満席で、日本の映画がフィンランドでも人気だと知ってとても嬉しい気持ちになりました。周りはフィンランド人ばかりという中で映画を観ましたが、笑う場面が同じだったり違っていたり、日本人の私たちには馴染みのある場面がフィンランド人にはどう映っているのか、と不思議な気持ちで鑑賞していました。

映画館での一枚

おわりに

ついに帰国の日まで1か月を切りました。帰国する留学生も少しずつ増えてきています。まだまだやりたいことも大学の課題も多く忙しい毎日ですが、悔いが残らないよう、フィンランドで出会った人たちと一緒に最後までたくさんの思い出をつくろうと思います。