ラップランド大学 国際文化学科4年 板屋花奈<2号 2022年11~12月>

はじめに

 早いもので、この留学生活も折り返しの時期に差し掛かろうとしています。12月には日照時間が2時間ほどとなり、ついに冬至を迎えました。朝はなかなか起きられず、夜はすぐに眠たくなるような毎日ですが、これからまた明るい日々が戻ってくると思うとわくわくします。残りの真っ暗な時間も楽しもうと思います。
 また、気温も-10℃や-20℃という毎日ですが、部屋の中は常に20℃前後に保たれているので快適です。ほぼ毎日雪が降っているので外には常に雪が積もっていますが、毎朝アパートの周りや道路を除雪してもらえるので問題なく生活でき、感謝しています。

木の写真
結晶の写真

気温が低すぎて、木が白くなったり、きれいな雪の結晶が降ってきたりします。

大学生活

 11月からは、10月までに終了した科目の最終レポートに追われていましたが、11月から新しく履修したのはChinese 2という科目だけだったので、比較的時間に余裕がありました。10月に受講していた科目はほとんどがオンライン授業だったので、11月には久しぶりの登校や対面授業、学食も楽しめました。Chinese 2の試験が12月上旬までに終わり、そこからは残った最終レポートを終わらせつつ、早めに冬休みに入りました。
 私がChinese 2を受講した感想を少しご紹介します。

・Chinese 2
 Chinese 2を履修するためには、Chinese 1の履修かそれと同等のレベルが推奨されていましたが、Chinese 1は他の科目の授業時間との重複が多く履修できなかったので、事前に担当の先生にメールで相談して履修しました。日本でも中国語を履修していたので内容は難しくありませんでしたが、英語で他の言語を勉強するのが初めてだったため、文章を訳す問題には少し苦戦しました。英語、中国語、日本語のニュアンスが少しずつ違うので、日本語・英語間で訳すときや、日本語・中国語間で訳すときとはまた違った感覚でした。私にとっては英語の勉強にもなりました。
 受講生は主に日本人とフィンランド人の学生の数人でした。当然ですが、フィンランド人の学生は普段漢字を使わないので、先生が授業中に漢字の成り立ちや意味を説明していたのが、日本の中国語の授業と違って印象的でした。

ルームメイト

 ルームメイトはとても親切で関係も良好なのですが、あるときからルームメイトが毎日のように部屋に友人を呼ぶようになったことで、気を遣ってしまい、自分の部屋でも気が休まらなくなりました。その行動がヨーロッパでは普通なのかよくわからず、どうするべきかしばらく悩んでいました。そのうちやめてくれるかと我慢しようと思ったりもしましたが、しかしこれから先も一緒に暮らすことを考えると耐えられないと思い始め、日本人の友人に相談しました。最終的に友人にもアドバイスをもらいながら、ルームメイトに自分が思っていることを正直に伝えることができました。ルームメイトも「お互い快適に過ごしたいから、嫌なことがあったらいつでも言ってね」と言ってくれました。優しく話を聞いてくれたルームメイトや相談に乗ってくれた友人に感謝しています。
 私は日本にいたとき、日本特有の察する文化を少し面倒くさいと思っていたのですが、今回の経験を通して、日本の察する文化があれば...と察する文化のありがたみを感じると同時に、察する文化がない環境ではっきりと自分の考えを伝えることの重要性を自分の肌で感じられて良かったと思います。自分の意見をはっきりと伝えることは、日本でも大切にしていきたいと思います。

クリスマス

 今年のクリスマスは、私にとって初めて外国で過ごすクリスマスでした。ヨーロッパから来た留学生の多くはクリスマスを家族と過ごすために帰国してしまいましたが、私のルームメイトは仕事でロヴァニエミに残っていたため、私の友人とルームメイトの友人とで一緒にちょっとしたクリスマスパーティーをしました。それぞれ手作りの料理を持ち寄り、みんなで夕食を食べました。スペインのクリスマスや年末の文化を教えてもらったり、日本の文化を教えてあげたりしながら、楽しい時間を過ごすことができました。

クリスマスディナーの写真
クリスマスディナーの写真

スペイン&日本のクリスマスディナー

 またフィンランドはキリスト教徒の多い国ですが、私は最近フィンランド在住でクリスチャンの日本人の方にお世話になっていて、その繋がりで、国籍に関係なく様々なクリスチャンの方との交流があります。クリスマス前には礼拝にも参加させていただき、初めてクリスマスの由来や意味を勉強しました。その日は、クリスチャンの多い環境で生まれ育ったフィンランド人、大人になってからクリスチャンになった日本人、クリスチャンではない日本人など、様々なバックグラウンドを持つ人が集まっていたのですが、それぞれがクリスマスに対して持っている意識や考え方の違いをお互いに交換できたことがとても興味深かったです。
 クリスマス当日には、クリスマスパーティーにも参加させていただき、フィンランドの伝統であるオーブンを使った料理や、クリスマス料理をご馳走になりました。その他にも、フィンランド語のクリスマスソングを一緒に歌ったり、ゲームをしたり、楽しい時間を過ごすことができました。
 この日に、私と同い年で日本人のクリスチャンの方にお会いしました。日本ではクリスチャンの割合も少ないですが、同級生と自分たちの宗教について話す機会もほとんどなかったので、今回初めて同い年のクリスチャンの方とそれぞれの宗教に対する考え方について意見交換をできたことは、とても貴重な経験になりました。この意見交換を通して、自分の宗教観についても改めて考えることができました。

フィンランド料理の写真
フィンランド料理
ドイツ土産のお菓子の写真
ドイツ土産のお菓子

フィンランド料理やドイツ土産のお菓子をいただきました。

アクティビティ

 私は編み物が好きで暇なときによく1人で編み物をしていたのですが、地域のイベントに遊びに行ったときに、偶然フィンランド人の編み物仲間ができました。それ以来、ときどき彼女の家で編み物の会をして、編み物を教えてもらっています。また、彼女は日本で交換留学をしていたらしく、たこ焼き器を持っていたので、日本人とフィンランド人でタコパにも挑戦しました。

編み物の写真
たこやきの写真

 11月後半には本格的に寒くなってきたので、アパートの近くにアイススケートリンクができ、湖でも滑れるようになりました。湖で滑れるサインは、「地元の人が滑り始めたら」とオリエンテーションで教わります。スケートリンクも湖も無料で滑れるので、ほぼ毎日滑りに行っています。フィギュアスケート観戦が好きなので、観るだけではなく、上手く滑れるようになって日本に帰ることも目標の一つです。(笑)

スケートの写真

最初は誰かの補助なしではほぼ滑れませんでしたが、練習を重ねて滑れるようになりました。

おわりに

 11月、12月もあっという間に過ぎていきました。この留学生活にもかなり慣れてきましたが、未だに新たな出会いも多く新鮮な毎日を送っています。12月には多くの留学生が留学を終えて帰国したので少し寂しいですが、1月からの新たな出会いを楽しみに、2023年も頑張ろうと思います。

ツリーの写真
ライトアップされた街中のツリー