ラップランド大学 国際文化学科4年 安藤駿佑 <4号 2019年3~4月>

 ロヴァニエミの春の訪れを知らせてくれたのは白ウサギと渡り鳥たちでした。辺り一面を覆っていた深い雪と凍った川が溶けると共に、白ウサギの活動が活発になり、渡り鳥たちが巣を作りに帰ってきました。静かなフィンランドならではの春の迎え方だと感じています。
 今回の報告書ではロヴァニエミでの冬の過ごし方について書きます。10月末から始まり4月半ばまでと、想像通り大変長い冬でした。3・4月には10℃近くになる日があり、やっと春が来たと期待を抱く日が多くありました。しかしその期待を裏切るように何度も寒さがぶり返し、結局、川の氷が溶け始めたのは5月になってからでした。しかしそんな長い冬にもそれなりの楽しみ方がたくさんありました。

 その楽しみ方を紹介していきます。まずなんと言っても冬のフィンランド式サウナは絶対に外せません。ラップランド大学の各アパートには共用のフィンランド式サウナが備わっており、インターネットで週に最大3時間まで予約することが可能です。特に冬場は大変人気があり、予約可能になる1週間前の深夜0時に待機して予約しなければいけない程です。男女関係なく入ることが出来るため、水着はほぼ必須アイテムです。フィンランドではサウナ内でビールを飲みながら友人と話すことが一般的で、サウナでリラックスしながら飲みニケーションを楽しむことが出来ます。また温まった石のストーブに、水とビールを混ぜてかけることで焼きたてのパンのような香りがし、最高の癒し空間になります。暑すぎる場合は水着でバルコニーに出て、外の寒い空気でクールダウンをしてまたサウナに戻るということを繰り返すことが出来るので、サウナが苦手な人でも長時間楽しむことが出来ます。友人と一緒にサウナに入ると、ほぼ裸の付き合いで深い関係を築くことが出来ます。

サウナのバルコニーからの景色

 また極寒の冬でも外でのアクティビティがたくさんあります。雪山や凍った川でのハイキングはもちろん、焚き火、オーロラハンティング、アイスフィッシング、アイススイミングなどが出来ます。また事前に申し込むことで、犬ぞりやスノーモービルといった特殊なアクティビティを楽しむこともできます。そのように寒さに負けず外出する理由はたくさんあるため、多くの留学生は極寒の冬に負けず元気に外へ遊びに行っています。3月末にはトナカイレースが開催され、留学生とフィンランド学生と共にレース観戦に行きました。そのようなフィンランドらしいイベントが多くあるので、退屈することなく厳しく長い冬を最初から最後まで楽しむことが出来ます。
 今のところ一度も体調を崩すことなく生活出来ているので、暖かい春が来るまで体調管理に気をつけながら残りのフィンランド生活を堪能したいと思います。次回の報告書も楽しみにしていてください。