センター大学(2018年度交換留学生)国際文化学科3年 亀山琴美 <1号 2018年9~10月>


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はじめに

 入学当初から憧れていたセンター大学への留学が始まり、早くも3ヶ月が過ぎようとしています。毎日本当に忙しく、あっという間に時間が過ぎていきます。今回は出国やオリエンテーション、授業や日常生活などについて報告します。

出国するまで

 ビザ申請や人によってはパスポート、運転免許証の事前更新など、留学前にしなければならない手続きはたくさんあり、とても複雑です。留学に行くことは1年前から決まっていますが、ビザ申請などの留学準備を始めることができるのは、センター大学からI-20という留学証明書が届いてからになります。私は5月の終わりごろにI-20を受け取りました。5月だったので授業も始まっていましたし、ビザ面接へ向かう途中で地震が発生し、新幹線の中に閉じ込められ、米国領事館へ行くことができないなどのトラブルもあり、なかなか思うように準備が進まず、留学までに全ての手続きを終わらせることができるのか不安でした。ですので、決して後回しにせず、きちんと計画を立て、余裕を持って手続きを行うことをお勧めします。
 8月14日に出国したのですが、私は留学生にとってはパスポートの次に大切なI-20を空港に忘れるという大失態をおかしてしまいました。友人のお母さんがI-20のコピーを空港まで送ってくれたおかげで無事入国することができましたが、家族や親戚、友人やそのご家族、空港の方など、多くの方に心配と迷惑をかけしてしまい、反省しています。約13時間のフライトはとても長く、入国審査にも3時間ほどかかったため、かなり疲れましたが、去年、山口県立大学に留学していたセンター大学の学生が空港まで迎えに来てくれて、久々に再会でき、とても嬉しかったです。

 去年、山口県立大学に留学していたアナさんとジョン君です。日本人留学生のチューターをしてくれています。

オリエンテーション

 センター大学に着いた翌日から約2週間は、留学生のためのオリエンテーションがありました。キャンパスツアーや生活用品の買い物、模擬授業など充実していました。また、他の国からの留学生や、ISOL(International Student Orientation Leader)と呼ばれる留学生サポートの学生とも仲良くなることができ、楽しい2週間でした。センター大学の留学生の受け入れ体制はとても整っているため、安心して留学生活をスタートすることができました。

 キャンパス内は緑が多くきれいです。リスがたくさんいます。

授業について

 今までセンター大学に留学した先輩方から、センター大学の授業は課題がとても多く大変だと聞いていたので覚悟はしていたつもりでしたが、想像していた何十倍も大変で、何度も心が折れそうになります。私は今学期、4つの授業を履修しています。

Fundamentals of Chinese (月、火、水、金 8:00~9:00)
 週に4回もあり小テストも多く、朝も早いため毎日早起きしなければならないのは大変ですが、お気に入りの授業です。人数が少なく、会話練習も多いため、クラス皆とても仲が良く毎日和気あいあいと勉強しています。また、私は日本人なので漢字が書けるのは当たり前なのですが、クラスメイトが漢字を書くのが上手と褒めてくれます。山口県立大学で中国語を履修していたおかげで、遅れをとることなく余裕を持って授業に参加できています。

Intro to Psychology(月、水、金 12:40~13:40)
 一番苦戦している授業です。毎週リーディングが30、40ページあり、また、週に1回、口頭クイズやエッセイクイズがあります。テストも合計で4回あり、学期の終わりにはプレゼンテーションもあるため本当に大変で、毎日少なくとも3、4時間は心理学を勉強しています。脳の機能や神経の名前、心理学の専門用語など、日本語でも聞いたことのない単語ばかりで、どれだけ完璧に予習をしても授業内容を全部理解できたことはまだ一度もありません。日本語だったら他のクラスメイトのようにもっと発言して楽しめるのにと毎回悔しくなります。しかし、教授は本当に優しく、研究室に質問をしに行くと、理解力のない私にも嫌な顔一つせず、根気強く教えてくれて、また、いつも気にかけ励ましてくれます。教授に相談したところ、心理学専攻の学生チューターも見つけてくれたので、レポートを提出する前にチューターに内容を添削してもらっています。一番大変ですが、授業内容自体は本当に面白いので、一番好きな授業でもあります。

Introduction to Creative Writing(月、水、金 15:00~16:00)
 この授業は課題がとても多く大変です。また、授業では詩や物語についてディスカッションをする機会がたくさんありますが、なかなか内容を理解することができず、ディスカッションに参加することは難しいです。リーディングはもちろんですが、毎週たくさんの詩や物語を書かなければいけません。英語が母語ではない私にとって、英語の音節やリズムを利用して作品を完成させるのは本当に難しく、毎回すごく悩みます。しかし、教授の研究室に行き相談すると、いつも優しく的確なアドバイスをくれます。また、クラスメイトも私の拙い英語を一生懸命理解しようとしてくれますし、作品を褒めてくれたり、改善点を教えてくれたりするので、ありがたいです。

Intro to Psychology lab (木 8:00~11:00)
 木曜日は朝から3時間、心理学の実験をします。犬役と飼い主役に分かれて効果的な躾の仕方を調べたり、脳波を調べたりなど実験内容は様々です。毎回内容が違って楽しいのですが、専門用語が多く、長さを図るときもセンチメートルではなくインチを使うため、実験についていくのはとても大変です。また、即興でプレゼンテーションをしなければならないこともあります。ほぼ毎週レポート課題が出されるため、実験内容をしっかりと把握する必要があり、グループのメンバーと協力しながら一生懸命実験に取り組んでいます。それでも分からないときには、実験後に教授に質問するようにしています。

Centre College Choir(月 19:00~21:00)
 この授業では様々な歌を歌います。この授業は唯一課題がありません。私は音楽があまり得意ではないので、たまに自分たちは今どこを歌っているのか分からなくなりますが、教授が面白い方なので楽しいです。月曜日の夜に2時間歌い続けるのは少し疲れますが、息抜きの一つになっています。

 心理学の実験の様子です。この日はお互いの腕を電極で繋いで、動きを同期させる実験をしました。

日常生活について

寮生活
 私はセンター大学の中で一番古い寮で生活しています。部屋は狭く女子トイレが1つしかないので少し不便ですが、皆とても仲が良いので楽しいです。特に、私が住んでいるフロアにはエジプト、ブラジル、アイルランド、ベトナム、イタリアからの留学生が住んでおり、アメリカにいながらも、色々な国の人と交流することができます。ルームメイトは読書と絵画が大好きで寡黙なタイプですが、いつも優しく接してくれます。また、彼女の両親は日本語が少し話せるため、彼女の両親と電話越しに日本語で会話をすることもあります。お互いに気を遣わずに、程よい距離感で生活できているように思います。

 同じフロアに住んでいるアイルランドの留学生です。彼女はいつも明るく面白くて、ジムに一緒に行ったりしています。

食事
 基本的には大学の食堂やキャンパス内のカフェで食事をしています。サラダも果物もアイスも毎日好きなだけ食べることができます。留学当初はサラダぐらいしか食べることができませんでしたが、今では毎日たくさん食べているので、帰る頃にはすごく太るのではないかと少し不安です。美味しいスモアやスムージーを食べる日もありますが、やはり日本食が恋しいです。

 見るからに高カロリーなデザートが毎日たくさん並んでいます。

休日
 休日は基本的には、予習、復習、課題に追われています。寮にこもらずに図書館や外で勉強したり、ジムに行って運動をしたり、食堂で友達とおしゃべりをしたりなど、気分転換をしながらメリハリをつけて勉強するようにしています。勉強だけではなく、大学周辺のレストランやカフェに出かけたり、無料バスに乗って友達と買い物に行ったり、ホストファミリーと出かけたりもします。毎日勉強ばかりなので、土日にしっかりとリフレッシュするようにしています。

 ハロウィンには、ホストファミリーと一緒にカボチャを彫りました。

Fall break
 中間テストが終わった後にはFall breakがあり、4日間授業がありませんでした。多くの学生は帰省するため、キャンパス内はとても静かで落ち着いて生活することができました。私はFall breakの後に心理学のテストがあり、またレポートを提出しなければならなかったので、残念ながら勉強から完全に解放されることはありませんでしたが、友人と大学周辺を散策したり、レキシントンという大学周辺よりも栄えているところまで行き買い物をしたり、以前、山口県立大学で働いていた先生のご自宅で日本食をごちそうしてもらったりと、あっという間でしたが、とても充実した休日を過ごすことができました。

 日本語クラブでカレーを作りました。

終わりに

 この3ヶ月間で学んだことは、周りの人を頼ることの大切さです。留学が始まったばかりのころは、分からないことやできないことがあっても、人に頼らずに自分の力でどうにかするべきだと考えていました。しかし、どれだけ頑張っても自分の力だけではどうしようもできないことはたくさんあります。「分からない」「できない」と人に伝えることは勇気がいりますが、言葉にしないと伝わりません。きちんと伝えれば、周りの人は皆快く助けてくれます。分からない、できないことは恥かしいことではなく、分からない、できないことをそのままにしておくことの方が恥かしいことだと気づきました。辛いことや悔しいことは数えきれないほどありますが、楽しいことや嬉しいことはその倍以上あります。とは言っても、モチベーションを保ち続けるのは難しく、日本が恋しくなることもたくさんあります。しかし、ずっと憧れていた長期留学に挑戦させてくれた家族、いつも支えてくれている日本の友人や、センター大学の友人、教授への感謝の気持ちを忘れずに、残りの7ヶ月間も周りの人の手を借りながら、私なりにベストを尽くして、悔いのない留学生活を送りたいと思います。

 Do your best. Be your best. No regrets.
 いつもこれを見て、気を引き締めています。