ラップランド大学 国際文化学科4年 板屋花奈<3号 2023年1~2月>

はじめに

ロヴァニエミに留学に来て半年が経過しました。12月までは日照時間が短いうえにほぼ毎日曇っていたので気分も暗くなりがちでしたが、最近は日照時間も長くなり、晴れの日も増えていて、気持ちの良い朝を迎えられるようになってきました。気温が0℃以上になることも少しずつ増えていますが、未だに-20℃近くになる日もあり、寒暖差の激しい毎日です。この気温差によって、積もった雪がとけたり凍ったりするので、ツルツル滑りながら登校しています。

フィンランドでの年越し

12月31日から1月1日にかけて、ロヴァニエミではあちこちで花火の音がしていました。日本の静かな年末年始とは違って、とても賑やかな年越しでした。市内では年越しの打ち上げ花火も行われていましたが、私は近所で地元の人が打ち上げていた花火を見に行きました。日本のお正月が少し恋しくもなりましたが、日本では見られないような、フィンランド人の年越しの楽しみ方を見ることができ新鮮でした。

年越しの花火
年越しのときに地元の人が打ち上げていた花火

また、初日の出ではありませんでしたが、1月2日に久しぶりの快晴だったので、日の出を見に行きました。地元の人も集まり、ロヴァニエミの寒さや日照時間の話を聞かせてもらいながら日の出を待ちました。この日の日の出時刻は10時55分でしたが、この時期の太陽は低い位置をほぼ横ばいに動くので、ようやく太陽が見える高さになったのは日の出時刻から約1時間後でした。

日の出
1月2日に見た日の出

大学生活

春学期の授業は1月10日から始まりました。12月中旬には既に授業がなく休みの期間が長かったので、私は気持ちを切り替えるのに少し苦労しました。春学期に履修している科目の中には、秋学期に履修した科目の授業スタイルと似ている科目もありますが、全く違うスタイルの授業もあり、何とか試行錯誤しています。今回は2月現在までに履修している春学期の科目と感想を少しご紹介します。

・Chinese Society - China and Media

毎週、それぞれ指定されたテキストや記事を読んで、週末にMoodleを使ってテストを受けるという形で行われました。リーディングの量が多い分、基本的に講義はなく、もし読んでいてわからない内容があり先生にメールで質問した学生がいた場合のみ、次の授業の日にその部分について解説をする、と最初の授業で説明されました。しかし、質問した学生がいた週もあったにもかかわらず、結局一度も授業は行われませんでした...。

・Chinese 3

秋学期のChinese 2に引き続き、Chinese 3も履修しました。受講生は10人弱で、日本人、フィンランド人、ポーランド人の学生がいました。フィンランド人の学生とペアになって中国語会話の練習をしたときに、ペアだった学生がわからないと言っていたので教えようとしましたが、漢字が身近な私の感覚と、ペアの学生の感覚が違うことに気が付きました。広い視点を持って、相手の立場に立って考え説明することの大切さや難しさを感じました。

・Gender, Society and the Arctic

授業ごとに違う先生が担当し、法律、政治、経済、ジェンダー、美学、差別、先住民族など、毎回異なるテーマについて勉強します。全ての講義がZoomを使ってオンラインで開講され、ラップランド大学やフィンランド国内の大学の先生方だけでなく、カナダ、デンマーク、イギリスの大学の先生方の講義も聴くことができました。どの授業も専門用語が多いうえに、スライドを使わず口頭で説明をすることもあったので、内容を理解するのにとても苦労しましたが、各講義の録画がMoodleにアップされるので復習できます。最終課題は毎授業ごとに書くダイアリーの提出でした。

また春学期から、Friend Programmeという、留学生とフィンランド人学生や地元の方を興味や関心によってマッチングしてくれるプログラムに参加しました。私は、日本や東アジアに興味のあるフィンランド人学生とマッチングしました。フィンランド語と日本語の便利な言葉を教え合ったり、自分の国の文化の良いと思うところや、相手の国に対して持っていたイメージとその変化などを話し合ったりして、お互いの文化に対する新たな発見がありました。このようなプログラムや授業での交流を通して、最近ではたくさんのフィンランド人学生や留学生との接点が増え、同じ趣味を持った人とも知り合うことができています。

アクティビティ

トナカイのソリ体験をしました。トナカイにソリを装着する方法や、速さを調節する方法、トナカイの餌やりなどたくさんのことを教わり、ソリで目的地に到着した後には、フィンランドらしく焚き火をしながら手作りのパンケーキとブルーベリージャムもいただきました。北極圏に住む人々がどのようにトナカイと暮らしてきたのかを実際に体験することができ、サンタさんの気持ちも少し味わえたような気がして不思議な気持ちでした。

トナカイたち トナカイと板屋さん

サンタクロース村に行って、初めてサンタさんに会いました。サンタさんは、さすが毎年世界中を飛び回っているだけあって、フィンランド語や英語はもちろん、少なくとも日本語、中国語、台湾語を話していました。他の国からのお客さんも多いことを考えると、もっと多くの言語を話せるのではないかと思います。知識もかなり豊富で、広島出身だと伝えると、日本語で「日本で2番目に美味しいお好み焼き」と言われました。(笑)

雪だるま
サンタクロース村の巨大雪だるまと

気温が-20℃近くまで下がった日には、濡らしたタオルやシャボン玉を凍らせて遊びました。特にシャボン玉は、凍るときの模様がとても綺麗でした。

凍らせたシャボン玉
凍らせたシャボン玉

おわりに

このフィンランドでの留学生活も、残すところ3か月となりました。3月上旬にはスキー休暇という長い休みに入るので、しっかりとフィンランドを堪能しようと思います。休暇後からはまた授業が忙しくなる予定ですが、改めて気を引き締め、新たなことにも積極的に挑戦して、最後まで悔いのないよう勉強も遊びも精一杯頑張ります。これから少しずつ暖かくなっていくと思いますが、ロヴァニエミに春が来る日を楽しみにしつつ、北欧の冬もしっかり楽しみたいと思います。