ビショップス大学 国際文化学科3年 西中愛美 <2号 2023年11~12月>

はじめに

留学生活もとうとう4ヶ月が過ぎ、とても不思議な感覚です。カナダは11月から雪が降り始め、氷点下を下回るのは日常茶飯事です。日照時間も山口と比べると大幅に短く、慣れるまで大変時間がかかりました。11月と12月は、楽しかったことも、辛かったことも含めて最初の2ヶ月とはまた異なる経験ができたため、体験記に記していきたいと思います。

講義

中間試験も終わり、どの講義も11月から12月にかけて期末試験の準備が必要となりました。

ENG100 Introduction to English Studies

この講義では、期末課題として11月中旬と12月上旬に750 wordsのエッセイを2つ書きました。1つ目のエッセイは、講義内で取り扱った幾つかの短編小説の中から1つ選んで分析するというものでした。短編小説の内容はどれも興味深かったのですが、日本語でも読書やシーン描写の分析が苦手な私にとっては大変な課題でした。数日かけてルーブリックを参考にしながら自分なりにエッセイを仕上げたのですが、結果は赤点ギリギリでした。教授からのコメントには「ただの要約になってしまっており、分析も一般的な解釈に基づいたものであるため不十分です。」と記載されており悔しかったのを覚えています。

しかし、自分の書いたエッセイを読み返してみると、自分の良くないポイントに気づくことができ、次は同じ失敗をしないようにしようと気持ちを切り替えることができました。二つ目のエッセイは、講義内で取り扱った幾つかの短編映画の中から1つ選んで2つのシーンを分析するというものでした。短編映画は短編小説に比べると分析しやすかったように感じます。1回目のエッセイの反省を活かし、2回目のエッセイは2週間前からゆっくりと準備を始めました。とても不安だった為、友人に私の解釈が曖昧ではないか確認したり、授業終わりに教授に分析のコツを確認したり、映画を何回も繰り返し観たりしました。そして、大学にはWriting Centerというエッセイの添削を行ってくれる施設があるため、私の書いたエッセイの添削をお願いしました。添削箇所があまりにも多くて、自分の英語力の無さを改めて痛感させられましたが、添削をしてくださった方がとても親切に相談に乗ってくださったおかげでなんとか最終エッセイが完成しました。

最終レポート準備の様子
最終レポート準備の様子

このエッセイの評価は最終的に分からなかったのですが、ぎりぎりで単位をいただくことができました。ENG100は今季履修した講義の中で一番難しかったですが、成長するきっかけとなった講義です。

ESL110W Introduction to English for Academic Purpose 1

この講義では、講義内でのエッセイライティング、Remarkable Personについてのロールプレイ、15分面接、最終エッセイと沢山の課題が課されました。各エッセイは250~600words程度で、講義内で学習した要約、引用、自分の意見の記述方法などを用いて一人ずつ割り当てられたRemarkable Personについて述べるというものでした。Remarkable Personのロールプレイは、トークショーという設定で3人グループに割り当てられ、司会者(教授)からの質問に答えていかなければなりません。自分が調べた人物になりきって、即答で質問に答えるのは難しく、何回か英語がとんでしまいました。自分の英語力の無さを痛感する場面が多々ありましたが、受講前に比べて英語で意見を述べるコツをつかめてきたのではないかと思います。

ESL125 English Phonetics and Pronunciation

この講義では、講義内でのプレゼンテーション、振り返りテスト、録音した音声ファイルの提出が課されました。プレゼンテーションのテーマは、「もっと便利にしたいもの」だったので私は海外の固定式シャワーについてプレゼンしました。プレゼン日の直前まで友人と何回も練習をしたのですが、いざクラスの前に立つと緊張で準備をした内容が大分とんでしまいました。未熟すぎる英語でありましたが笑顔だけは意識し、教授やクラスの全員が柔らかな表情で頷きながら聞いてくださったおかげでなんとか発表しきることができました。プレゼンテーションと録音ファイル課題について、一人ずつフィードバックがあったのですが、教授が講義受講当初からの成長を評価してくださりつつ、未熟な部分も正してくださる方なのでとても気持ちよく評価を受け止めることができました。冬学期はスピーキング力を更に伸ばしていけるように努力していきたいです。

JSE150 Japanese Society and Culture

この講義では、1000~1500wordsのエッセイが課せられました。内容は日本文化にまつわることであれば何でも良かったため、私は日本のサービスの良い面と悪い面について考察しました。JSE150は普段の課題の読み物が多いため少し大変です。しかし、既に知っている内容で、教授がポイントを押さえておけば対等に評価をしてくださる方なので、留学の講義の難易度や進度に不安がある方にとてもおすすめです。私は、とても不安症なのでこの講義をとって本当によかったと感じました。

日本語初級クラスの聴講(ボランティア)

日本語クラスのボランティアは、期末課題に追われて参加出来ない日もありましたが、参加出来る日は学生からの質問に答えたり、授業を研究させていただいたりしました。私は実際に履修している訳ではありませんでしたが、日本語を通じて教授や沢山の学生とのコミュニティが広がったと感じています。質問に答えられないことも多々ありましたが、最後の授業の日に友人達が「マナミが居てくれてとても心強かったよ!」と言ってくれ、授業に参加してよかったと強く感じました。冬学期も出来る限りボランティアを続けていきたいです。

日常生活

この二ヶ月は日照時間がとても短くなり、午後4時には完全に暗くなってしまうため気分が落ち込む事が多かったです。加えて毎日大なり小なり雪が降っているため、日中でも太陽が出る日がほとんど無く、曇りが苦手な私にとっては本当に困難でした。このままでは良くないと思い、フィンランドに住む友人に相談すると、「高緯度地域に住む人に良くある事だから、日中に少しでも良いから散歩したり、友達と予定を立てたり、部屋を明るくしたりすると良いよ!」と助言をもらったのでその通りに行動してみました。すると、体調が改善されてきました。

休日は友人とショッピングモールに行ったり、雪合戦をしたり、ドラァグクイーンショーを観に行ったり沢山の思い出をつくりました。この二ヶ月の中で特に印象に残っているのは、友人と少しフォーマルなパーティーに参加したことです。私は、カナダに来てからずっとパーティーに対して少し苦手意識がありました。しかし、実際に参加してみるととても楽しく深夜まで踊っていました。全員が素敵なドレスやスーツを着ていて、それぞれが音楽に身を任せて躍っている姿を見ていると、自分らしさを表現できるということはとても素敵でかっこいいなと思いました。友人も私も本格的なパーティーに参加するのは初めてだったのですが、機会があれば冬学期も参加していきたいです。他には、初雪が降った日には友人を誘って皆で雪合戦をしました。大分盛り上がって1~2時間近く雪合戦をしていたら、その後3日間近く全身が筋肉痛になりました。

ショッピングモールにて
ショッピングモールにて

自分の体力の無さに驚いたので、これから少しずつ体力を付けていきたいなと思います。

パーティー!
パーティー!
一緒に雪合戦した皆と!
一緒に雪合戦した皆と!

冬休み(12月21日~1月9日)

冬休みは、12月22日~12月28日までアメリカに居る友人達に会いにニューヨークとボストンへ行きました。友人達は、2022年にアメリカセンター大学から交換留学生として山口県立大学に滞在していました。そこで仲良くなり、皆が大学に滞在していた約5ヶ月間ほぼ毎日一緒に居たほど、私にとって大切な友人達です。皆が帰国する前に「ニューヨークで会おう!」と約束していたためずっと心待ちにしていました。今回はカナダとアメリカで冬休み期間が違ったこともあり、全員と会うことが出来ませんでしたが、センター大学の友人2人とセンター大学に交換留学中の友人と会うことが出来ました。

ニューヨークへは朝早くのバスで行く予定だったため前日モントリオールで一泊しました。私にとって初めての一人海外旅、長距離バス移動だったためとても不安でした。モントリオールからニューヨークまで約8時間かかりましたが、隣の席の女子大生がとても良い人だったのと、飛行機とはちがいゆったりとした席だったためとても快適でした。

ニューヨーク(12月22日~26日)

クリスマスのニューヨークとボストンは、テレビで見るよりもずっと大きく華やかで今でも心に残っています。しかし、私にとって友人と再会できたことは何にも代えがたい宝物のような思い出です。友人達と再会した瞬間はあまりにもうれしすぎてしばらく声が出ませんでした。友人達もすごく喜んでくれて本当にうれしかったです。

指さしているのは自由の女神です!
指さしているのは自由の女神です!
友人と私!
友人と私!

私達は全員アッパーウエストサイドに宿泊していたのですが、それぞれ到着日と帰省日が違ったため私と友人二人は同じホテルで、もう一人の友人は近くの別のホテルに宿泊していました。旅行中は友人が予定を組んでくれていたので、ニューヨークではタイムズスクエアやクリスマスマーケット、セントラルパーク、そして911メモリアル・ミュージアム等に行きました。この中でセントラルパークは最も思い出深い場所です。セントラルパークで良いことと怖かったことを1つずつ体験したので記しておこうとおもいます。

良かった出来事は、中国から来た素敵な女性とセントラルパークまで散歩したことです。旅行二日目に友人達との待ち合わせまで時間があったため、朝一人でセントラルパークまで散歩してみようと決めました。旅行前に危機管理について入念に調べたところ、「スマホを見ながら歩くとスリに遭いやすい。」とあったため、事前に地図で行き方を調べてスマホを見ずに歩いていました。すると、セントラルパークとは明らかに違う川辺に出てしまい、同じタイミングで川辺にたどり着いた女性に場所を尋ねると、逆方向に進んでいたことが分かりました。女性に御礼を言ってセントラルパークへ向かおうとすると、「私も行きたいから一緒に行かない?」と誘われ一緒に行きました。道中で色々お話をして、女性も大学生の娘さんがいるということもあり仲良くなりました。セントラルパークに着いてから数分で私の待ち合わせ時間に近づいたということもありお別れをしましたが、とても素敵な出会いだったなと思います。

怖かった出来事は、深夜に乗る地下鉄を間違えて、最寄り駅と同じ名前の逆方向の駅で降車してしまったことです。その日は友人と2対2でニューヨークを散策しており、私達は食事を終え午前0時頃にホテルへ向かいました。一緒にいた友人とは最寄り駅が違ったため、他の友人二人が駅まで迎えに来てくれると約束していたのですが、駅を出ると真っ暗なセントラルパークの前に出てしまいました。事前に「深夜のセントラルパークはホームレスや薬物中毒者のたまり場であるため危険。」と調べていたので、急いで場所を確認するとホテルと反対方向でした。急いで帰ろうとしていると、案の定ホームレス男性に声をかけられました。ずっと同じ事を言ってくるのでこれは良くないと思い、相手を触発しないように少し早歩きで立ち去ろうとすると、「なぜ逃げる?レイシストなのか?」と繰り返し言いながら相手も早歩きで追いかけてきました。近くにホテルらしき建物があったのですかさず入ると、相手がドアのギリギリまで来てすぐどこかに行きました。それを確認してからすぐ友人達に電話をかけていると、私が入った建物はホテルでは無くアパートだったようで、管理人さんに「警察は向こうだから、出て行きなさい。」と言われ、急いでホテルの方向へ向かうと道中まで迎えに来てくれた友人達と合流できたので本当に安心しました。幸いにも、私の身体も貴重品も無事だったので良かったです。それと同時に、留学前に実施される危機管理セミナーや、事前に調べていた危険エリアや危険回避方法がとても役に立ったので、改めて自分の身を守る方法を知っておくことの大切さを感じました。

思い出のセントラルパーク
思い出のセントラルパーク

ボストン(12月26日~28日)

その後3日間友人とボストンに滞在しましたが、ニューヨークとは違って混雑しておらず、治安も良く快適に過ごすことが出来ました。ボストンでは、ボストン美術館に行ったり、クラムチャウダーを食べたりして過ごしました。ボストン美術館では、大好きなルノワールの作品を間近で見る事ができたので大満足です。カナダへ帰国する際は飛行機で帰ったので友人とは空港でお別れをしました。様々な経験をしましたが、8日間の旅は私をとても成長させてくれたと思います。再び会うことのできた友人達には感謝でいっぱいです。

ボストンクラムチャウダー
ボストンクラムチャウダー
ボストンの夜景
ボストンの夜景
絵画に紛れ込んでみました!
絵画に紛れ込んでみました!

おわりに

11月と12月は、楽しいことも沢山ありましたが、自分の英語力の無さを改めて実感したり、日照時間の短さに悩んだりと落ち込む事もありました。しかし、年末に大切な人達に会えたことで元気をチャージすることが出来ました。留学生活も残るところあと4ヶ月。1月からは冬学期が始まるので、自分らしく努力を続けていきたいと思います。