卒業式

 3月20日(火)山口県立大学講堂(桜圃会館)で「平成29年度山口県立大学・山口県立大学大学院学位記授与式」を執り行いました。卒業生・修了生合わせて328名が、本学を旅立っていきました。

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お祝いと激励のことば

平成30年3月20日
山口県立大学学長
長坂 祐二

 ただ今、国際文化学部国際文化学科47名、文化創造学科49名、社会福祉学部社会福祉学科106名、看護栄養学部看護学科54名、栄養学科43名、合計299名の学部卒業生の皆さんに卒業証書・学位記を、大学院国際文化学研究科8名、健康福祉学研究科前期課程5名、後期課程4名、合計17名の大学院修了生の皆さんに学位記を、別科助産専攻12名の修了生の皆さんに修了証書をお渡ししました。
 山口県知事村岡嗣政様、山口県議会議長柳井俊学様はじめ、ご来賓の皆様のご臨席を賜り、今年も、こうして学位記授与式を盛大に挙行できますことは、本学にとって大きな慶びであります。
 卒業生・修了生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。また、この晴れの日を、ともにお迎えになったご家族の皆さん、山口県立大学を代表して、心よりお祝い申し上げます。
 皆さんは、本学で多くのことを学び、身につけてこられました。学びは、キャンパスの中だけ行われたのではありません。地域でのフィールドワークや臨地実習での地域の皆さんとのふれあい、海外での短期または長期の留学経験、大学祭、サークル活動、ボランティア活動など、キャンパスの内外を問わず、皆さんが在学中に体験したすべてが、皆さんを成長させた「学びの場」であったと思います。
 近年、人工知能(AI)技術が飛躍的に進化し、すでに多くの職場での導入が検討されています。そして、あと10~20年で「なくなる職業」が話題になっています。そのような現代社会において、既存の専門知識や技術を身に付けているだけでは、社会に有為な人材として活躍することはできません。AI時代を生き抜くためには、これまで誰も経験したことがない状況に遭遇しても適切に対応する能力や、さまざまな意見や価値観を持つ人たちと一緒に、チームの一員として主体的・積極的に貢献することができる能力が必要となります。
 どのような職場であっても、多様な価値観を持った人たちと一緒に仕事をする機会は、今後ますます増加することが予想されます。多様な考え方を持つ人たちと目的を共有し、成果を上げるためには、「人と人をつなぐ」能力をもった人材が不可欠です。異なる価値観を持つ人が出会ってコミュニケーションをとる時、単に「正確な情報」をやり取りするだけでは乗り越えられない壁があります。人は、人工知能が扱うような「知性」だけでコミュニケーションをとるわけではありません。目と目が合った時に湧き上がる言葉にできない「感情」を無視することはできません。その「感情」を上手にコントロールして対人関係を良好に維持したり、「お互いにもっと深く交流したい」と思ったり、「この人と一緒に仕事がしたい」など前向きな気持ちになる能力が必要です。これこそが、「人と人をつなぐ」能力です。
 皆さんが、この大学で学び、身に付けてきたことは、単に、それぞれ専門分野の知識や技術だけではありません。在学中は、学内、学外を問わず、世代と地域を超えて、たくさんの人たちと交流し、失敗と試行錯誤を繰り返しながら学ぶ経験をたくさんしてきたと思います。そこで学んだことは、まさに「人と人をつなぐ」ことだったのではないでしょうか。それこそが、皆さんが山口県立大学で学び、身に付けた能力であり、これからの人生において、最も役に立つ、そして大切な財産になるでしょう。
 経験を役に立つ財産として定着させるためには、経験を言語化して整理しておく必要があります。言葉は、経験を言語化することによって、状況を把握し、記憶にとどめる必要に迫られて発達したという考え方があります。コミュニケーションは、言語により記憶を人と共有する手段として二次的に発達したと考えられます。一人の人が一生に経験できることは限られていますが、コミュニケーションにより記憶を人と共有することにより、人生の糧となる経験の量を飛躍的に拡大することができます。この意味においても「人と人をつなぐ」能力の重要性が認識できます。
 同じ経験から、より多くのことを学ぶためには、良かった経験だけでなく、辛く、苦しかった経験も含めて、一度立ち止まって振り返り、その意味を言語化して、記憶の中に整理する必要があります。これは、記憶を自分の都合のいいように書き換えるという意味ではありません。記憶を再構築することで、その意味を明確にするプロセスです。私たちは、人との出会いを、「情報」の記憶だけでなく、「感情」の記憶も含めて整理し、出会った人を大切な人生の1ページとして記憶に留めることによって、「人生の意味」を紡ぎ出すことができます。そうして蓄積した記憶は、皆さんにとって一生褪せることのない宝物になるでしょう。
 これから皆さんは、母校である山口県立大学を巣立ち、それぞれの進路に進み、新しい場所で挑戦し、活躍されることでしょう。しかし、必ずしも順風満帆とはいかず、さまざまな困難に直面することもあると思います。ともすれば理不尽な場面に出会うこともあるでしょう。そのような時は、在学中の経験や様々な人との交流を通して、学び、身につけた能力に自信と誇りを持ち、そして勇気を持って、困難に立ち向かってください。そして、時には母校に帰ってきて、新たな積み重ねた経験から得た記憶を聞かせてください。さらに成長した皆さんとお会いできる日を楽しみにしています。
 終わりに、皆さんのこれからのご活躍を、心よりお祈り申し上げ、わたくしの「お祝いと激励のことば」とします。