ビショップス大学 国際文化学科3年 平中奈津美 <4号 2023年3~4月>

カナダでの留学生活が終わりを迎えました。8カ月という期間は、来るまでは想像がつきませんでしたが、決して短いわけではなく、ぎっしりと思い出が詰まっています。今では、自分自身があの場所にちゃんと馴染んでいたのだなと思います。友人の言葉を借りると、当たり前の日常が終わっていった、という感じです。そして、3月と4月は日本で学期が終わり、新学期が始まったこともあり、帰国準備と並行してやらなければならないことがたくさんありました。

まず、前号に引き続き授業の様子と、そのfinal exam についてです。

ESL125 English Phonetics and Pronunciation

定期的にリーディング音声を提出することでほとんどの評価が決まり、テキストに沿って第二言語としての英語の発音について学びました。その中で学んだことを総括したテストが最後の授業の時にあり(悪天候のためオンラインになりましたが)、そのうえ5分ほどのプレゼンテーションをクラスの前でする必要がありました。発声の仕方や、音の決まり、アクセントなどを基礎から教わることで、自分のスピーキングに前よりも自信がつきました。秋学期から比較して、非常に上達したと評価いただいたので、ありがたかったです。

ENG210 History of Children's Literature

週に一冊の児童文学についての小テスト、解説、ディスカッションという流れを繰り返す形でした。児童文学に対しての考えを先生や学生から直接聞くことができて、本当に興味深かったです。簡単な文章であるにもかかわらず、どれだけ多くのことを伝えられるか、工夫が詰まっている面白い本ばかりで、さらにこの分野について学んでみたいと思うようになりました。最終的な評価の半分は、長めのエッセイと、オンラインで提出するタイプのテストが占めました。私はこの1600~1800字ほどのエッセイを選択しましたが、絵本を描くか、児童書の最初のチャプターを書いてくるというクリエイティブな方法も選ぶことができました。クラスのメンバーも、自己流の世界観を持つ優しい人ばかりで、話を聞くのが楽しかったです。

ENG113 English Literary Tradition: The Eighteenth Century to the Present

3月に入り、産業革命を絡ませながら、貴族社会や、女性の立ち位置などの現代にも通じるトピックに関して、有名な文学を読みながら、その時代の考え方の解説を受けていました。その後、現代的な小説や詩を読み解きました。扱った本の中には、シャーロックホームズやカズオ・イシグロといった、日本でも読まれている作品が含まれています。英語の詩に対する知識がなかった自分にとって、読み方さえよくわからない状況でしたが、英語を話す人たちにとって、詩は切り離せない文化であることがわかりました。また、授業を最後まで集中して聞き切るのが大変であり、加えてキリスト教の知識が前提であったりして、本当に難しかったです。5, 6ページの最終レポートとテスト週間中のテストは、何とか文字数を書ききりました。文学は追求したらきりがないということを身に染みて実感しましたが、そんな中で、全然知らなかった知識を知る面白さを教えてくれた授業です。

PSY101 Introduction to Psychology I: Basic Processes

心理学は、データや科学の面からみるものであるというような、基礎から教わるクラスでした。講義によって基礎を習った後、それをふまえて自分で題材を見つけ、infographicというパワーポイントを縦に綺麗に並べたような一枚のポスターを作って、オンラインで提出する必要がありました。私は「やることの先延ばし」についてまとめましたが、ダイエットやソーシャルメディア、心の病気など、みんな多種多様なテーマを選んでいました。そのinfographicを使いながら、解説動画をアップロードするか、クラスで対面の発表をするかのどちらかも最終プロジェクトに含まれていました。これらの課題は、グループでやるか、個人でやるかを選択できました。そして、テスト週間の最初のみ受けられるオンラインテストを提出して、最終評価が決まりました。基礎と言いながらも、知らない単語だらけで個人的に難しい点も多かったのですが、期日通りの課題とテストの提出により、悪くない結果を得ることができました。

3月に入り、日本では就職活動が本格的に始まりました。大学での課題をこなしながら就活をして、それに加えて帰国のための計画を立てるというのが理想でした。しかしながら、時差が13時間もある中、たくさんの面接や説明会、メールのやり取り等を一気にするのは体調を酷く崩す原因になると思い、断念しました。留学中に内定をもらうことはかないませんでしたが、企業研究やESの下書き等はこちらで進められたので、帰国後すぐに取り掛かれるように準備をしています。そんな中、県大のキャリアサポートセンターにはメールで相談に乗ってもらったり、オンラインでのES添削の申し込みをさせてもらったりしました。

4月に入るとあっという間に通常授業が終わり、イースターの休みを挟んで、中頃にはテスト週間に入ります。人によって対面でテストがあるかどうかはまちまちですが、みんな忙しそうにしており、気づけば何人も帰郷し始めているという感じでした。自分のfinal examが終わった後、24時間以内に退寮をすることが求められるため、テスト勉強と並行して片付けやアカウント解除のような手続き等をする必要性があります。申請をして通れば、全体のテスト週間が終わる4月28日まで寮に残ることができましたが、それでも本当に慌ただしかったです。仲良くさせてもらっていた人も忙しかったので、最後に会うことができず、さみしく思っています。また帰国前に旅行をする予定で、荷物を減らしたかったので、キャリーケースと箱を一つずつ日本に送りました。大学のポスト・メールサービスから直接送れますが、山口へは船便が使えなかったので、一つにつき数万円が飛びました。必要だったのであきらめて支払いましたが、荷物に関しては量や送る決まりなどを良く調べておくべきだったなと思います。やることが多い時の効率的な時間配分は、私の中でこれからも課題となりそうです。

県大の新学期と並行して、卒論関係の締め切りも意識する必要がありました。私は4年で卒業をする予定のため、渡航前から卒論の題材決めを考えていました。そしてビショップス大学で授業を受けるにつれ文学に対して興味がわいたので、それに関連した卒業論文を考えています。私は自分の考えの補強のために、アドバイスが欲しいと思ったので、ビショップス大学の先生お二人にインタビューも行いました。授業でもお世話になったお二人の専門分野はどちらも文学で、私の疑問に対して知識をもとに丁寧に回答していただきました。英文学を研究している教授は身近にはあまりいないのでとてもありがたく、そしてまたとないお話を聞くことができました。

帰国後もやらなければならないことはたくさんありますが、以前のように感情に左右されて落ち込んだりしないので、多少は強くなったなと感じています。今後も何があるかわかりませんが、ありがたい留学生活で得たたくさんのことを携えて、自分自身の成長を体感していきたいです。

スキー場での1枚

大学の主催で、近くのスキー場に連れて行ってもらいました。初めての体験でしたが、意外に滑れることがわかって、山を何往復もして楽しみました。

雪の風景

4月上旬でもまだ雪が残っている状態で、何度か上から積もることもありました。ですが、下旬には完全に溶けて、芝生の緑が一瞬にして戻ったときは驚きました。また、寒暖差が激しく、一度27度まで上がった日があったかと思えば、数日後にはまた夜に氷点下まで下がる日があったりして、服装に悩みました。

花の写真
動物の写真

見かける動物が増え、花が増えると、春の訪れをやっと感じました。

メッセージカード

帰国直前にメッセージカードをもらいました。またいつか会えればいいなと思います。

ニューヨークシティでの1枚

帰国前に、バスでボストンを経由して、ニューヨークシティにいきました。申さんたちと一緒だったのですが、キャリーケースをもっての移動は一苦労でした。