ビショップス大学 国際文化学科3年 平中奈津美 <2号 2022年11~12月>

 留学生活の折り返し地点が過ぎました。時の流れを感じながらも、日々の情報量の多さのために、詰まりに詰まった4か月であったなと感じています。11月に初雪が10センチ越えで積もり、12月に入ると、マイナス10度を下回る日もでてきました。しかし、雪は降っても気温が上がって溶けることを繰り返しており、まだまだ本格的には積もるのはこれからとのことです。
 12月初頭に秋学期の授業が終了し、学校全体で2週間ほどのテスト週間に入りました。学期末のテストは、テストのある教科とない教科があり、日付もバラバラで、教科によっては日曜日に行われていました。テストはクリスマス直前に終わり、2週間ほどの冬休みに入ります。

 以下が私が秋学期に履修した教科です。前回の体験記で述べたことに引き続き、多くの興味深い知識を得ることができました。

ESL127 - Oral Discourse II
 成績は、ディベートを含む5回のプレゼンテーション、小テスト、出席状況でつけられました。定期的にプレゼンテーションをすることで、自分の発言のたどたどしさが少しずつ減り、聞き手を見ながら話す余裕が出てきたと感じます。使わなければ単語は覚えられないということで、教授からは多少難しい単語を組み込むように指示がありました。プレゼン内容も、テレビセールスやイベント司会者を模したり、自分で法律を作って裁判の流れを話したりと、多岐にわたりました。グループ活動も多く、ほかの学生と話す機会も多かったため、最後のクラスはとても楽しい雰囲気で終わって、多少の寂しさを覚えました。

ESL210 - Advanced Writing and Text Analysis
 毎回課題が必ず課される授業で、提出物やエッセイの積み重ねがほとんどの成績を占めました。様々な形式のエッセイを書いていき、課題によっては個別で丁寧なフィードバックがありました。最後の授業では、10分ほどのビデオを見た後、それについての個人的な経験・意見を含めたReaction essayをその場で書いて提出しました。辞書の使用は可能で、授業の3時間を使うことができましたが、筋道を立てて英語で意見を述べる難しさを痛感しました。
 しかし、日々の課題をこなし、回数を重ねるごとに、英語でのエッセイの書き方が最初よりは身についていると思います。学期最後のほうのフィードバックの際には、教授から「最初の頃よりあなたの英語は良くなった」とコメントをもらったときは、信じがたかったですが、とても嬉しかったです。

ENG215 - Introduction to North American Literatures
 最初から最後まで自分の無知さに頭を抱え続けた授業です。教授の講義の中では、北アメリカの人種、ジェンダー、性別、国境等への考え方について、翻訳、自叙伝、インタビューなどの様々な形式で書かれた文学を何冊も扱いました。一度に読んでこなければならない文章量が多く、英文の難易度が高くてついていけなかったことももちろん大変でしたが、文献内容の表現や情景が今まで見たことないほど衝撃的で刺激が強かったです。自分の置かれている環境を外から見つめ直す、これまでにない機会になりました。
 常にいろんな意味でギリギリでしたが、エッセイが3つと、文献を要約してその意見を書くAnnotated bibliographyの全4回の提出物で主に成績がつきました。内容がぼんやりしている、いつも文献の読み込みが足りないというような評価が返ってきましたが、良いところはきちんと評価してくださる教授のおかげで、何とか最後まで受講することができました。

HIS206 - The History of Night: An Exploration of the 'Darker' Side of Life
 この授業もほとんどの学生が現地の人で、何度か不安に押し潰されそうになったのですが、教授の扱う内容がとても興味深く、知識として持っておきたいと思ったので、意地で最後まで講義を受けました。
 毎回40ページもの参考文献に目を通すことが課題でしたが、圧倒的に知らない単語が並ぶ長文のため授業まで間に合わせることが難しいこともありました。授業形態としては、講義の後に他の学生と出されたテーマについて話し合い、グループの代表や希望者が意見を全体に共有します。 最初の頃よりも他の学生が話していることが聞き取れるようになり、自分の意見を出せるようになりました。自分の意見が言えれば言えるほど、より深い話し合いができ、よりいろいろな考え方を享受できるのだろうと思います。
 授業の中で、一つテーマを選んで5ページほどのエッセイを書いて提出し、それをもとにグループでポスター制作を行いました。自分は割り当てを終わらせることで精一杯でしたが、グループのメンバーは親切な人ばかりで優しく接してくれました。完成したポスターをクラス全体の集まるDarkness Galaに掲示して、このクラスは終了しました。
 授業全体が本当にユーモアに溢れており、みんなで軽食とドリンクをとりながらポスターを見せ合う回もありました。最終テストは持ち込み不可で別会場でありました。持ち込み不可だったのはこの授業だけでした。教授は私が留学生であることを考慮しながら、意見を尊重してくださる人だったので、とてもありがたかったです。

 休日は、友人と外にご飯を食べに行ったり、散策したり、図書館で課題に追われたりなど様々でした。隣町のSherbrooke には、バスで片道15分、料金は3.5ドルほどで行くことができます。店があまりない学校周辺より商店も多く、映画館や美術館もあります。壁画が至る所にあり、観光スポットの一つです。日本食レストランや、おしゃれなカフェもあり、ちゃんとおいしくて感動しました。
 しかし、未だにチップ文化と外食の値段の高さには慣れません。冬学期も学校の食堂に通い詰めることになりそうです。冬休みの間は寮以外基本閉まるので、自分たちで食事を用意する必要があります。実家に帰る人がとても多いです。休みのほとんどを大学内で過ごした私は、寮の地下にある共用のキッチンで自炊しながら生活していました。両親が、電子レンジで完成するご飯などを日本から送ってくれていたことに感謝しています。
 12月頃になると急に冷え込み、雪も降り始めたため、Sherbrookeのショッピングモールなどで冬物を揃えました。特に、雪が積もるとスニーカーでは寒すぎる上に滑って危ないので、ブーツは必須です。もちろん、分厚くて丈が長めのコートもないと、外に出たときに辛いです。一度雪が降りはじめると、あっという間に周りが真っ白になることが驚きで、雪の粒がさらさらとして小さいです。また、夜になると雪の結晶が街灯の光に反射して、一面真っ白の中、キラキラと光っていました。一度友人の車でモールに連れていてもらった時には、彼女が冬を越せる服装のアドバイスをしてくれたのですが、かなりの防寒が必要なようで、本格的に寒くなる1月2月に怯えています。
 4か月も経つと、こちらの生活が日常になり、それが不思議な感じがします。また、慣れない寒さのせいもあり、なんとなく調子が悪い日が続いた時期がありました。疲れを長引かせず、意欲的によりたくさんの経験と知識を得られるように、留学の残り半分を精進していきます。

ラーメンの写真

Sherbrookeの日本食レストランの醤油ラーメンです。何度も日本食が恋しくなります。

壁画の写真

Sherbrookeの壁画です。徒歩で回りきれるところに点在しています。観光案内所で、全部を巡れるコースを紹介してもらったりしました。

ケアグッズの写真

テストを乗り越えるために、大学側がこのようなケアグッズを配布してくれたり、動物たちと触れ合う会があったりしました。

クリスマスイブの写真

クリスマスイブに、大学と教会主催の食事会・礼拝に参加しました。大学の教会は基本だれでも入れるのですが、その雰囲気にいつも緊張します。

地域の教会での写真

クリスマス当日は、地域の教会で行われたランチにお邪魔しました。キリスト教の方が多い中で過ごすクリスマスは、あまりにぎやかでないながらも、人とのつながりを大切にしている感じがして暖かさを感じました。