ナバラ州立大学(2018年度交換留学生)国際文化学科3年 磯部優佳 <1号 2018年9~10月>


関連ワードで検索する

 パンプローナに来て2カ月が経ちました。まだまだ慣れないことばかりですが、毎日の生活を楽しんでいます。

パンプローナに着くまで

 パンプローナに行くために安くて乗り換えの多いチケットを購入しました。8月23日に関西国際空港から出発し、クアラルンプール、アブダビ、ローマを経てパンプローナに到着する予定でしたが、出発当日、台風の接近によって10時間の遅延となり24日朝8時に関西国際空港を出発しました。幸運なことに、クアラルンプールでの乗り換えが13時間あったため、何とか乗り換えに成功し無事にマドリードに到着することができました。しかしマドリードに到着したはいいものの、よく調べていなかったため電車で行ける駅の場所やどうやって駅まで移動するのか何も知らない状況でした。観光窓口で尋ねてみたところ、バスで行くのがいいと言われてバスターミナルに移動しましたが、高速バス乗り場も混みあっている上、看板などが特になく、とても難しかったです。そして何とかパンプローナへのバスの中で同じ大学に留学予定の子に出会い、一緒にタクシーに乗って寮へと向かいました。

パンプローナでの生活

 私は日本にいるうちに寮の予約を済ませていて、1年間寮で生活する予定で行きました。これまで先輩方は、金銭的な面を考えてシェアハウスを選択する方が多かったようですが、大学のすぐ近くであることやピソ(集合住宅)、ルームメイトを探す手間を考えて私は寮に決めました。しかし、寮は留学生が少しと、ほとんどがスペインの学生で思うように友達ができず、さらにシングルルームだったこともありすごく孤独に感じました。また、友達は留学生が多く、スペイン人の友達も英語で話しかけてくれるため、スペイン語を使う機会が少ないことにもどかしさを感じました。そのため、大学のアカデミックコーディネーターの先生に、誰かホームステイを受け入れてくれる家族を知らないか尋ねてみたところ、ある家族と出会いそこでホームステイを始めることになりました。Bustintxuriという大学からはバスで30分ほど離れている場所に住んでいますが、街の中心部が大学から帰る途中にあるのであまり不便はありません。そして、ホームステイにして正解だったと思います。なぜなら、私はホストマザーのカルメン、ホストファザーのダニ、ホストシスターで8歳のレイレと共に生活していて3人ともよくしゃべるので、「これ持ってて」や「見て」など日常会話はすぐにできるようになりました。夕方、家にいる時はレイレと2人で並んで机に向かって宿題をして、終わったら遊んだり映画を観たりしています。朝と夜はほとんどみんなで食事をするので、スペインの家庭料理もたくさん知りました。スペイン式の時間間隔も共に生活することで自然と身についていきました。シェアハウスに比べて割高ではありますが、私はホームステイを勧めたいです。学生同士のシェアハウスももちろんいいのですが、ホームステイをすることでさらにスペインの文化について理解することができ、会話力も自然と身についていきます。

大学について

 授業が始まる前(8月27日~8月31日)に大学の語学センターの無料で受けられる1週間のスペイン語コースを取りました。そこや留学生のオリエンテーションで留学生同士仲良くなりました。私はバスの中で出会ったモロッコ人の友達やオリエンテーションなどでパレスチナ、ドイツ、韓国、中国など様々な文化を持った学生と友達になりました。そして、大学の授業は「HABILIDADES COMUNICATIVAS EN ESPAÑOL COMO LENGUA EXTRANJERA I(留学生向けのスペイン語の授業)」と「SOCIAL ORGANIZATION AND HUMAN DEVELOPMENT(英語で履修する社会学の授業)」の2つを履修しています。スペイン語を身に着けたいのはもちろんですが、英語もおろそかにしたくなかったためこれらの授業に決めました。結果として、社会学の授業はとても難しいですが履修学生のほとんどがスペイン人であるためスペイン人の友達を作ることができ、充実しています。さらに、語学センターのスペイン語の授業も履修しています。こちらは有料ですが、少人数の授業のため会話のアクティビティなどがあり、とてもためになります。スペイン語開講のスペイン人の文化の授業もあったのですが、私がまだあまりスペイン語が話せなかったために断念しました。後期は履修したいと思っています。

旅行

 パンプローナはスペインの北に位置し、車で1時間もせずにフランスへと国境を超えることができます。バスターミナルからはたくさんのバスが出ていて日帰り旅行もできます。私は留学して最初のうちはたくさん旅行しました。サンセバスチャン、ビルバオ、ビアリッツ、サラゴサ、ピレネー山脈とどこもきれいで素敵な場所でした。私が特に好きだったのはビアリッツとピレネー山脈です。ビアリッツは南フランスの海辺の町で、バスク文化圏です。初めてフランスへ足を踏み入れたのですが、同じバスク圏でも建物が全然違っており、初めてフレンチのフルコースを体験してドキドキしました。海はとにかくきれいで散策するのが楽しかったです。ピレネー山脈は、山口では見ることのできない高い山々、氷山地形に湖と自然に囲まれてリフレッシュできました。どの旅行も同じ留学生の友達同士としました。様々な国から集まって、いろんな文化の話を聞くのはとても興味深く、たくさん話が弾みました。すごく素敵な思い出です。


ビアリッツにて


ピレネー山脈にて


パンプローナを一望できるスポットにて