ラップランド大学(2018年度交換留学生)国際文化学科4年 平松栄一郎 <1号 2018年9~10月>


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 フィンランドに着いて、まだ3ヶ月ですがすでに2年くらい経ったような感覚です。今年は暖冬だそうで、11月現在でもマイナスの気温にならないことは珍しく、平均気温は3度前後です。
 10月の中頃から、フィンランド・ラップランドでは、クリスマスの雰囲気が漂っています。フィンランド人の友達に「クリスマス長すぎませんか。」と聞くと、「ここはいつだってクリスマスだよ。」と返答され思わず笑ってしまいました。
 寒くなると、お粥を食べるのが一般的で、ジャポニカ米に似たお米炊き、牛乳を加えてその上にいちごジャムをのせて食べるリーシプーロ(Riisipuuro)という家庭料理がメジャーです。思ったほど甘くなくて、お腹にたまって冬を越すには確かにいいものだと思います。
 また、この時期には世界各地からの観光客が増加していて、世界がぎゅっと詰まった街の様にも思えます。ヨーロッパのみならず、アジアやもちろん日本からも、オーロラやサンタクロース等を目的に来ているように思えます。

サンタクロースパレードの様子

リーシプーロ(Riisipuuro)


 さて、留学生活いろいろと気になることはあるかと思いますが、今回は寮生活と休日の過ごし方について触れます。

寮生活

 今は、大学から自転車で30分ほどのところにあるクントティエ(Kuntotie)に住んでいます。部屋には、ドイツ人、トルコ人、オーストリア人、2人のリトアニア人と住んでいて6人で1部屋をシェアしており、ぎゅうぎゅう詰めのアパートです。家賃は、月1万6千円程度とかなり安くなっています。
 Wi-Fiの速度が遅すぎることや、寒い日のシャワーの取り合いなど不便なこともありますが、静かなメンバーに恵まれました。部屋でパーティーをすることもありますが、パンケーキパーティーのようなかわいいものです。月に1,2回程度、寮の地下にあるサウナで1時間ほどお互いの苦労やおもしろい話をしながら過ごしています。
 私の部屋は、皆同じ大学に通っていますが、部屋によってはインターンシップや他大学の留学生とともに過ごしている部屋もあるそうです。
 6人の共通言語は英語です。英語で暮らしていくことに不安は当然ありましたが、お互い英語のネイティブスピーカーではないので、フォローしあって暮らしています。「鳥肌」という英単語で、1時間論争したこともありました。Goose bumps(鳥の肌)は、直訳ですが、お互いになんとなく意味が分かっている不思議な言葉です。お互い分からない英単語があるときは、「感覚が、ぶわーっとぐわー!っとなることを何て言う?」と説明し合ったりすることもあります。時に、母語と英語の発音がまったく異なっていることもあります。ビタミン(Vitamin)がいい例です。各国の英語への考え方の違い、アクセントの違い等、国ごとの個性が英語を介した会話の中で垣間見えることも、おもしろさの一つだと思うので、ぜひ山口県立大学に来ている留学生へ聞いてみてください。  ざっくりですが、私の部屋のメンバーはこんな感じです。部屋によって全く色が違うので、個性が強い寮です。金曜日の夜に、クラブに行ってストレス発散する人もいれば、サッカーをする人、レポートに追われる日々を送る人など様々です。

相部屋のドイツ人とパーティーの後で

休日の過ごし方

 フィンランドでの休日の過ごし方を現地民に聞いてみると、家から出ない、編み物をする、ハイキングなど人それぞれの過ごし方があるようです。私は寮から歩いて10分程のハイキングコースでよく歩いています。歩くというよりは「遭難しかけている」が正しいといつも思います。ハイキングコースといえど、自然保護区は人の介入が禁じられているため、整備されていない獣道を延々と歩くことになります。「Introduction of Artic 」の授業の中で、ハイキングの必需品を教わり、新聞紙、ライター、水、ソーセージは必ず持っていくようにしています。ハイキングコースの途中に焚火ができる場所があり、木材も自由に使えるので、ソーセージやマシュマロを焼いて、静かに時間を過ごすこともあります。
 未だ3ヶ月ほどですが、全体的に休日は静かに過ごすことが多いように感じます。

火を囲んでソーセージ焼きパーティー

本当にハイキングコース?と思うほどの獣道