ラップランド大学(2018年度交換留学生)国際文化学科4年 安藤駿佑 <1号 2018年9~10月>


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フィンランド交換留学

 ロヴァニエミでは日没が4時前頃となり太陽をほとんど拝むことができないようになってきましたが、寒さはまだ日本の冬と同じくらいと言ったところです。今回はラップランド大学に2ヶ月半滞在して気づいたことを書いていきます。

サンタさんが住む町

交換留学生と大学生活

 正確な数字を把握していませんが、ラップランド大学には約150人以上の留学生がいます。留学生は主にヨーロッパ出身の学生が多く、印象としてはドイツ人、スペイン人、フランス人が多いというイメージです。留学生の中には私のように1年間滞在する学生、1学期だけ滞在する学生、また2年間滞在する大学院生がいます。1学期だけ滞在する学生はそろそろお別れの時期になるので少し寂しく感じています。
 私はFlatと呼ばれるアパートにドイツ人、ロシア人、オーストラリア人の3人の留学生と一緒に住んでいます。自分専用の個室がありキッチン、シャワー、トイレが共用です。留学生寮には留学生しかおらずフィンランド人とアパートで交流する機会はほとんどありません。ラップランド大学は法学部、教育学部、社会科学部、アート学部の4つに分かれています。留学生が取る授業は英語で開講されており、ほとんどの場合クラスメイトは交換留学生だけであることが多い印象ですが、私は語学の授業を履修しているのでそこにはフィンランド人の学生が多くいます。比較的、私生活(学生寮)や授業でフィンランド人学生と接する機会が少ないので、語学の授業を履修することやカフェリングアと呼ばれる言語学習交流会(日本語もある)に参加することで、フィンランド人と交流する機会を増やしています。ラップランド大学には日本の協定大学が何校かあり、そこへ行ってきたフィンランド学生やそこから来た日本人学生とも交流が持てます。
 ラップランド大学の授業形態は学部によって大きく変わり、印象としては法学部の場合、座学中心でレポート課題が多く、社会科学部は「Arctic study」を履修するとフィールドワークで学ぶこともあります。アートの学生は、作品制作がメインで毎日大学に通い詰めているイメージです。学内では学生の作品がしばしば展示されており、アート学生の熱意とレベルの高さを感じることができます。教育学部では留学生でも小学校への実習に行く機会が与えられるため、教育を勉強している人には大変良い環境であると感じました。私の取っている授業の中にはほとんど講義がなく、毎回与えられた資料や動画を基にエッセイやサマリーを書くという自主学習タイプの授業もありました。また授業は1学期を通してずっと同じ授業があるわけではなく、1学期が4セクションに分かれており、1セクションずつ授業が変わっていきます。私は、社会科学部に所属していますが忙しさは日本の大学とそこまで変わらないと思います。1学期の中に4セクションあるので日本の大学のように学期末だけ忙しいということはなく、快適に過ごせています。また授業によって変わりますが、多くの授業は1コマ3時間と長いため、こまめに大学に行くというよりはまとめて大学にいるといった感じです。

山口市とのつながり

余暇の過ごし方

 授業の取り方によっては連休になることがあり、レンタカーを借りスウェーデンやノルウェイその中でも北極圏へ旅行しました。そこでは北極圏らしい自然風景の中でハイキングし、自然を満喫することができます。もちろんロヴァニエミもフィンランドの中で北の方に位置しているためオーロラをアパートから見ることもできますし、トナカイが道路を歩いている光景をよく目の当たりにします。自転車で10分程のところに市街地があるため週末は留学生とバーへ行き、ビリヤードをしたりクラブへ行って朝まで踊ったりします。またすでに池が凍っており、スケートを楽しむことができます。

アパートからの絶景

英語レベルについて

 フィンランドを始め北欧諸国は英語のレベルが高いということが有名ですが、本当に英語だけでも生きていける環境であると実感しました(もちろんフィンランド語を話せた方が良いのですが)。スーパーでもどこでもほとんどの人が英語を話すことができ、生活する上で英語以外の言語的壁に直面するという機会は大変少ないように感じます。食品やメニューはフィンランド語とスウェーデン語でしか書かれていないことが多いのですが、英語で聞けば分かります。また留学生の中に英語のネイティブスピーカーは割と少なく、お互い第二言語として英語を使っているので「これが共通言語としての英語なのか」と実感しています。面白いことは、やはり基本的に中央ヨーロッパや北欧圏の留学生の英語レベルが高いということです。もちろん個人差はありますが、国によって英語のレベルの高さが明確に違い、「この国の人はこの位のレベルの人が多いな」や「この国の人の英語のクセはこういうところなんだ」など、ある程度傾向がはっきりしています。そういった環境が逆に自分への自信に繋がり、切磋琢磨する仲間ができ、共通言語の英語のクセを理解できるなどメリットが大きいと感じました。

自然に囲まれて

今後の予定

 12月半ばには授業が終わり冬休みになるので、その期間にはヨーロッパの観光地巡りを楽しみながら、現在勉強している観光のことを少しでも肌で感じてきたいと思います。来月から本格的に寒くなりほとんど太陽を見ることはなくなると思いますが、憂鬱にならずに貴重な留学生活の一日一日を大切にして、吸収できることはすべて吸収していきます。次回は冬休みと冬の厳しさについて書くことになると思いますが、留学で悩んでいる人に少しでも参考になるような報告書にしたいと思います。