センター大学(2018年度交換留学生)国際文化学科3年 稲葉皐 <2号 2018年11~12月>


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初めに

 センター大学での留学生活も5か月目に突入し、毎日があっという間のスピードで過ぎていきます。気温もどんどん寒くなり、毎朝起きるのが辛い季節となってしまいました。今回は11月、12月の出来事を報告します。

Interfaith Dialogue

 11月の初めに、Building Bridges and Community Dayというイベントが行われました。キャンパス内の様々な人と交流し、ものの見方、考え方を理解し合うという趣旨のイベントで、授業は全て午前中で終了し、教授や大学スタッフの方、学生と一緒に割り振られたテーブルでランチを食べ、ワークショップに参加しました。私はワークショップの1つである「Interfaith Dialogue」で、パネルディスカッションのパネラーとして私の仏教徒としての経験や神道、日本人の宗教観について話しました。私以外のパネラーはユダヤ教徒、ヒンドゥー教徒、ジャイナ教徒、バプテスト教徒の学生が自身の宗教に対する考え方や習慣などについて話をしていました。事前に議題を教えてもらい、準備をして臨みましたが、いざステージに上がって、大勢の前で話をするとなるとかなり緊張しました。昨年、宗教学の授業で「日本教」について勉強していたので、それがすごく役に立ちました。私は、宗教を知るということは、特に海外の人と交流する時に、その人の考え方や行動の理由を理解するために大切なことの1つだと思っています。パネルディスカッション自体は1時間半ほどの短いものでしたが、それぞれがお互いの宗教や文化を尊重しながら、意見を交換し合い、本当に有意義な時間となりました。初めは上手く自分の意見を伝えられるかという不安がかなり大きく、ディスカッションが始まる直前まで逃げ出したかったです。しかし、他の宗教についてたくさんのことを知ることができ、挑戦してよかったと思いました。

授業・期末試験について

 私が履修している授業とその期末試験等について報告します。

EDU227 Practicum & Intro to Education
 中間試験後は通常授業に加え、ゲストスピーカーの話を聞いたり、映画を観ながらアメリカの教育制度・問題点について学びました。毎週金曜日はContemporary Issue Discussionでアメリカの教育の問題点についてディスカッションを行い、また週に1、2回近くの小学校で授業を見学しました。小学生は授業中に「ハーイ!」と小声であいさつをしてくれたり、時々話しかけてくれ、本当に可愛かったです。私が見学したクラスでは、児童は授業時間の80%はパソコンを使って何か作業をしていました。ICTの活用が本当に進んでいると感じました。
期末試験では、20問の選択問題、2問のショートエッセイ、1問のロングエッセイに答えました。友人がスタディーガイドを作ってくれたので、それを基にエッセイの解答を2人で作り、試験直前まで一緒に勉強しました。
この授業では、アメリカの教育制度や課題を様々な面から勉強することができ、また、実際にアメリカの教育現場の見学もできるので、本当に面白い授業でした。教員になりたい人や教育に興味のある人はぜひ履修してみてください。

CRW110 Introduction to Creative Writing
 中間試験後は主にワークショップとして全クラスメイトの詩やノンフィクションなどの作品について意見を交換しました。現地の学生の作品のクオリティの高さに毎回驚かされながらも楽しく勉強しました。この授業を取っているからか、ルームメイトや友人に「サツキの英語は詩みたいになっているよ!クリエイティブライティングの効果だね」と言われました。自分では全くそんな風に思ったことがなかったのでびっくりしました。
 期末試験はなく、今までに書いた作品をまとめたポートフォリオの提出と、作品の朗読会がありました。私はVillanelleという詩形で作った詩と、「アメリカと日本の塩辛さ」というテーマのノンフィクションを朗読しました。
 初めはライティング力の向上につながるかなと思って履修をした授業でしたが、エッセイのようなライティングではなく、いかに自分の思っていることを面白く表現していくかということを学びました。

ARS110 Introduction to Drawing
 中間試験後は主に影のトーンについて勉強しました。白、薄い灰色、濃い灰色、黒の4色の紙を小さくちぎってコラージュを作ったり、骸骨を描いたりしました。チャコールで黒くした紙を、練り消しを使って消しながら絵を描く技法がお気に入りでした。期末試験はなく、最終課題として普段使っているスケッチブックよりも大きく、しっかりした紙に骸骨や箱、コップなどを書いて提出しました。
 この授業は朝8時から始まる授業で、朝早く起きるのが辛いときもありましたが、気分転換にもなり、本当に楽しい授業でした。


最終課題としてこの絵を描きました。

REL150 Western Religious Tradition
 中間試験後は100~200ページのリーディングがあり、この課題のおかげでリーディングのスピードが本当に速くなりました。全て読み終わることができなかった時もありましたが、本の内容は面白く、楽しんで読むことができました。また、「日本のキリスト教の伝来」というテーマで約6分間のプレゼンテーションを行いました。緊張しましたが、笑いもとることができ、なんとか成功したと思います。また、プレゼンテーションと同じ内容で10ページ以上のレポートも書きました。レポートに引用する本を見つけるのは大変でしたが、教授やライティングセンター、友人のおかげでなんとか書き上げることができました。また、他の課題のためにユダヤ教のシナゴーグに見学に行きました。今までユダヤ教は未知の世界でしたが、授業で習った彼らの習慣や作法を実際に見ることができ、興味深かったです。
 期末試験は教授の研究室で、口頭で問題に答えるという形式でした。事前に全て問題が与えられていたので、友人と準備をして臨みました。
 この授業では、アメリカの視点からユダヤ教・キリスト教・イスラム教について勉強することができました。また、教会やユダヤ教のシナゴーグに実際に行くという貴重な体験もでき、充実した授業でした。

Center College Choir
 11月の半ばにコンサートがありました。コンサートにはホストファミリーが来てくれました。コンサートで歌う曲をずっと聴いていたので、しばらく曲が頭から離れなかったです。また、11月の終わりにも教会で聖書を読んだり、クリスマスの歌をみんなで歌う会でも1曲歌いました。毎週月曜日の夜に2時間歌うのは大変だと思うときもありましたが、最終的には楽しんで授業を受けることができました。

クリスマスの歌を歌った時の写真です。私たち以外にもいろいろな人たちがクリスマスソングを歌いました。

Thanksgiving Break

 11月21日から25日まではThanksgiving Breakでした。私はルームメイトのアナさんの家に休暇中ずっと滞在させてもらいました。期末試験に備えて午前中は課題をし、午後は美味しい料理をごちそうになり、買い物や観光に行ったり、ホラードラマや映画を観たり、メリハリをつけながらリラックスできた休暇となりました。

 アナさんの家ではサンクスギビングに大量のパイを食べるのが習慣だそうです。どの料理も本当に美味しかったです。家族や親戚が集まってにぎやかにご馳走を食べるサンクスギビングは日本のお正月に似ていると感じました。


KFCで有名な、カーネル・サンダースのお墓に行きました。

体調面について

 日本にいるときはほとんど風邪を引いたことはありませんでしたが、寮生活をしているからか、本当に風邪を引きやすく、うつしやすい環境にいると感じています。ルームメイトに迷惑をかけないように体調管理をしっかりしていきたいと思います。
 11月の半ばに1週間ほど声が出なくなりました。完全に声が出なかったのは4日間ほどでしたが、声が復活するのに1週間以上かかりました。この期間は本当に辛かったです。それまで、のどが痛いなどの予兆が全くなかったので原因がよくわからず、いろいろな人に迷惑をかけてしまいました。初めて完全に声が出なくなったため、最初は面白かったのですが、話したいのに話せないとだんだんストレスが溜まっていき、大変でした。さらに、コーラスのコンサートと声がほぼ出ない時期が被ってしまい、せっかく練習していたのにほとんど歌えず悔しかったです。

冬休みについて

 冬休みはカナダに行きました。空港まではセンター大学のシャトルバスを予約しました。カナダでは、バンクーバーとトロントに住んでいる親戚や昔お世話になったホストファミリーに会うことができ、とても充実した時間となりました。また、ビショップス大学に留学中の山口県立大学の学生と合流してケベックシティーやモントリオールを観光したり、ニューヨークで年越しをしたり、忙しかったですが、楽しく過ごすことができました。


料理が大好きな親戚のおじさんはパスタを生地から作っていました。バンクーバーのおいしい中華料理やベトナム料理もご馳走になりました。


親戚のおばさんとトロント観光をしました。クリスマスが近かったので、一緒にプレゼントの買い物をしました。また、私も大量のプレゼントをもらい、本当に嬉しかったです。


ビショップス大学に留学中の横田さんとモントリオールにあるモンロワイヤル公園に行きました。ケベック州はバンクーバーやトロントよりもずっと寒く、鼻の穴の中が凍るということを初めて経験しました。


7年ほど前にバンクーバーでお世話になったホストファミリーと一緒に巻き寿司を作りました。また、カナダでは、クリスマスの次の日(12月26日)は「Boxing Day」で、大セールが各地で行われるということでホストファミリーはたくさん買い物をしていました。この旅行では、カナダの文化もたくさん体験することができ本当に楽しかったです。

ブルックリン橋

自由の女神

 ブルックリン橋で年越しをしましたが、天気が悪く、私は傘を持っていなかったので、寒さが本当に辛かったです。ニューヨークで年越しをしようと思っている人はきちんと下調べと準備をするのをお勧めします。

終わりに

 冬休みも終わり、留学生活も折り返し地点を迎えようとしています。この2か月間は授業にも慣れ、学期の初めには絶対に終わらないと思っていた課題も、全て授業前日には終わらせ、睡眠時間を確保することができるようになるなど、少しずつですが、自分の成長を感じることができました。また、冬休みは、今までの冬休みの中でも一番アクティブに動き、充実したものとなりました。様々な経験をさせてくれた親戚、ホストファミリー、友人には本当に感謝をしています。1月3日から始まるセンタータームと春学期も引き続き頑張りたいと思います。そして、残りの留学生活をより充実させていきたいです。