曲阜師範大学(2016年度日本語TA)国際文化学科3年 櫛田楓<1号 2016年9~10月>


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 私が、曲阜師範大学(斉魯理工学院)に日本語TAとして派遣されてから2か月が経ちました。今回は、授業の様子や中国での生活について紹介します。

授業

 まず、日本語の授業についてですが、私が担当しているのは日本語高級会話2クラス、日本語作文2クラス、日本語中級会話1クラスです。授業の時間は前年度より短くなり、1回分が45分×2で、間に10分の休憩を挟みます。月曜日、水曜日は1コマ、火曜日、木曜日は2コマで金曜日は休みです。私は週に計6回の授業を担当していますが、TAが担当する授業数は年度によって違うようです。
 授業はすべて1人で行います。また、教科書は大学から貸し出されたものを使います。まず、高級会話の授業は27人のクラスと、14人のクラスがあります。この授業は、内容自体が社会問題などを扱っており、少し難しいので、グループで話し合わせてから個人的な意見、感想などを日本語で発表させるようにしています。しかし、この2クラスの授業中の雰囲気がまったく異なっていて、一方は和気あいあいとして発言も多いですが、もう一方は静かで、話し合いをするよう促しても全くやろうとしない学生が多いです。同じ教科書、同じ内容をやっているのにここまで違うかと驚きました。
 次に、日本語作文の授業が2クラスあります。この授業では、作文の基礎から感想文、報告書、説明文、志望理由書まで、様々な種類の文章の書き方を教えます。普通体(だ、である)と丁寧体(です、ます)を区別することや、繁体字で書くことが学生たちにとっては、かなり難しいようで、何度も練習させています。
 最後に、中級会話の授業は初級を終えたばかりの2年生が受講しています。まだ、文型を習っている段階なので、あまり多くは話せません。しかし、宿題は必ずやってくるし、授業中も一生懸命です。この授業では教科書の内容だけでなく、日本語を使ったゲームなどもしています。中級会話は週に2回あるので、ペースが速いです。

生活

 私が住んでいるのは、大学内にある教員用の寮です。かなり広く、リビング、台所、書斎、寝室、シャワールームがあります。Wi-Fiがあるのでネットも使えます。
 食事は基本的に自炊をしています。昨年までは近くにスーパーがなかったようですが、今年から近くに小さなスーパーができたので、その店を利用しています。また、周辺にはたくさんの中華料理屋があり、いつも学生でにぎわっています。物価はかなり安く、1か月1000元ほどあれば十分だと思います。寮費などは払う必要はありません。洗濯機や、冷蔵庫、電子レンジなども完備されているので、日本にいた時と同じような暮らしをすることができます。(故障は多いですが・・・)
 給料は中国銀行で口座を作り、そこに振り込んでもらう形になります。月3000元ですが、冬休みの2月と3月の給料はもらえません。

その他の活動

①中国語
 私は中国語をろくに話せないまま中国に来たので、最初は外に出るのも億劫でいつも憂鬱でした。しかし、このままでは生きていけないと思い、空き時間に単語を覚えるようにしました。また、中国語教師を目指している学生を紹介してもらい、週1で中国語の発音を矯正してもらったり、会話を教えてもらったりしています。英語で教えてもらっていますが、とてもわかりやすいのでありがたいです。
②日本語サークル
 国慶節の後くらいから、日曜日に1時間ほど日本語サークルの学生を対象に授業をするようになりました。ほとんどが1年生で英語学科の学生が多いです。全く日本語はわからないので、ひらがなやカタカナからスタートです。
 すしパーティも定期的に開かれ、食堂で買い込んだ大量のごはんを使い、みんなですしを作ります。
③外国人教員歓迎会
 9月の半ばごろに外国人教員の方々との交流の機会がありました。豪華な食事を食べながら、国際交流院の先生方、英語、日本語、韓国語のネイティブの先生方と初めて顔を合わせました。
④国慶節
 10月のはじめにあった国慶節は、もう1人の日本語のネイティブの先生と一緒に山東省を旅行しました。済南、煙台、青島を訪れ、各地方出身の学生に案内してもらいました。この旅行では学生だけでなく、彼らの両親にもお世話になりました。特産物を使った豪華な料理をふるまってくれたり、りんご農家でのりんご狩りやワイン博物館見学を体験させてくれたり、感謝してもしきれません。
 また、この旅行で苦手意識の強かった買い物や、バスやタクシーなどの交通手段を利用することに随分慣れることができました。曲阜では売っていない日本食をたくさん買い込んだので、お金がかなり無くなってしまいましたが、とても有意義な旅になりました。

 このように、2か月間中国でTAとして暮らしてきましたが、時が経つのは本当に早いと感じています。授業は上手くいかないこともありますし、日本に帰りたいと思うことも多々あります。しかし、1年しか体験できないこの留学生活に悔いが残らないように努力しようと思います。


日本語の教科書


青島の海鮮