桜の森アカデミー「やまぐち学マイスターコース」やまぐち学入門 ―山口の自然と人々の暮らし~Mine秋吉台ジオパークを巡る~―

 平成28年度の「やまぐち学マイスターコース」がスタートしました。
 本コースは、産学公の連携によって展開される「やまぐち学」等を学ぶことを通じて、人口減少が進む中、交流人口の拡大と、地域経済の活性化のために注目されている「地域観光」を支える人材育成を行います。

 5月29日(日)、初めてのフィールドワークで、昨年9月にジオパークに認定された美祢市の秋吉台と江原(よわら)地区に出かけました。
 まず、秋吉台科学博物館でMine秋吉台ジオパーク推進協議会専門員の小原北士さんから秋吉台の成り立ちや歴史について説明があり、映像を見ながら学びました。


 秋吉台のカルスト台地はおよそ100平方キロメートルにわたって広がっており、今からおよそ3億5,000万年前に南の暖かい海に生息していたサンゴ礁が、約1億年もの長い年月をかけて、海洋プレートの上をゆっくり移動して陸地まで運ばれ、その後、数百万年前頃から石灰岩が雨水や地下水によって溶け、ドリーネ(すり鉢状の凹地)や鍾乳洞ができたそうです。
 その後、展望台に移動して秋吉台の美しい景色を堪能するはずでしたが、あいにくの雨で霧がかかり見ることが出来ませんでした。初めてここを訪れた方もあり、とても残念でした。

 次にバスで江原(よわら)地区へ向かいました。ここはウバーレ(複数のドリーネが繋がった谷状の窪地)の中に発達した集落で、窪地の底に家屋が密集しており、現在約40戸約80人が住んでいます。
 江原地区在住のボランティアガイドの山本篤さんの話を聞きながら、地区の中を散策し、歴史や生活についての話を伺いました。小鳥のさえずりが静かなウバーレの中に響き渡り、ガイドの山本さんの言葉を借りれば、まさに「無何有の郷(むかうのさと=自然のままで、何の作為もない理想郷)」でした。


 受講生たちにとっては、自分の日々の生活と比較して色々なことを考えることで、多くの発見ができる機会となりました。