「福祉でまちづくりフォーラム」を開催しました


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 1月6日(金)、本学において、「福祉でまちづくりフォーラム」を開催し、保健・福祉専門職、行政職員およびまちづくりの関係者など多くの参加がありました。

 今回のフォーラムは、2013年から取り組んでいる「地(知)の拠点整備事業」ライフイノベーション研究の一環として開催したものです。

 まず基調講演では、文京学院大学准教授の中島修氏に、地域包括ケアシステムの構築など地域福祉の推進が進められている今日の保健・福祉を軸としたまちづくりの意義・政策動向と、住民参加による保健福祉によるまちづくりの実際について、お話しいただきました。

 その後、本年度から本学が美祢市で取り組んでいる「地域で安心して暮らすことのできる社会に向けての保健・福祉によるまちづくりに関する研究」の報告会を行いました。
 UIJターン移住者に関する聴き取り調査実施に協力いただいた美祢市社会福祉協議会の羽根一孝氏からは、少子高齢化が進む人口減少社会の中での地域住民の生活課題に関する美祢市の概要の紹介がありました。
 続いて、UIJターン移住者聴き取り調査結果に基づいて、移住者のまちづくりへの寄与の可能性について本学社会福祉学部の草平武志教授が報告しました。



 シンポジウムでは「福祉でまちづくり実践」をテーマに、香川県琴平町社会福祉協議会の越智和子氏、水俣市社会福祉協議会の田代久子氏、岩国市社会福祉協議会の粟屋浩氏の3名をパネラーに迎え、山口県内外の先駆的な実践例を踏まえて、人口減少・過疎化の課題を抱える地域における「保健・福祉でまちづくり」の有効性や可能性について、議論・検討を行いました。

 先駆的な取組みの実践報告として、越智氏からは地域の強みを生かして農・商・福祉・教育が連携して推進した「ガーリック娘」の商品開発を中心として人口減少化にある地方の観光地におけるまちづくりについて、田代氏からは公害により地域の基幹産業を失い地域住民が被害者と加害者に分断された歴史の中で失われた地域の絆を「もやい直し」という地域福祉活動によって再生した実践について、粟屋氏からは企業・福祉・農業の連携により開発した「大吟醸の酒粕利用奈良漬け」についてそれぞれ紹介がありました。



 最後に中島氏から過疎高齢化・農地の荒廃・交通などといった地域の課題解決に際して、地域の強みを生かして地域のつながりの再構築を図ることの意義について、まとめていただきました。