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卒業式

 3月15日(水)山口県立大学講堂(桜圃会館)で「平成28年度山口県立大学・山口県立大学大学院学位記授与式」を執り行いました。卒業生・修了生合わせて345名が、本学を旅立っていきました。

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お祝いと激励のことば

平成29年3月15日
山口県立大学学長
長坂 祐二

 ただ今、国際文化学部国際文化学科67名、文化創造学科48名、社会福祉学部社会福祉学科108名、看護栄養学部看護学科47名、栄養学科45名、合計315名の学部卒業生の皆さんに卒業証書・学位記を、大学院国際文化学研究科10名、健康福祉学研究科前期課程7名、後期課程2名、合計19名の大学院修了生の皆さんに学位記を、別科助産専攻11名の修了生の皆さんに修了証書をお渡ししました。ご来賓の皆様のご臨席を賜り、今年度も、こうして学位記授与式を盛大に挙行できますことは、本学にとって大きな慶びであります。
 卒業生・修了生の皆さん、ご卒業おめでとございます。また、この晴れの日を、ともにお迎えになったご家族の皆さん、山口県立大学を代表して、心よりお祝い申し上げます。皆さんは、本学で多くのことを学び、身につけてこられました。学びは、キャンパスの中だけで行われたのではなく、地域でのフィールドワークや臨地実習での地域の皆さんとのふれあい、海外での短期または長期の留学経験、大学祭、サークル活動、ボランティア活動など、キャンパスの内外を問わず、皆さんが在学中に体験したすべてが、現在の皆さんを作り上げた「学びの場」であったと思います。今、それらを振り返ると、日々の大学生活の中で積み重ねてきた貴重な経験を通して、学問的にも、人間的にも大きく成長を遂げたことを実感しているのではないでしょうか。これから皆さんは、母校である山口県立大学を巣立ち、それぞれの進路に進み、新しい場所で挑戦し、活躍されることでしょう。しかし、必ずしも順風満帆とはいかず、さまざまな困難に直面することもあると思います。ともすれば理不尽な場面に出会うこともあるでしょう。そのような時は、在学中の経験や様々な人との交流を通して、学び、身につけたことに自信と誇りを持ち、そして勇気を持って、困難に立ち向かってください。
 本日は、困難に立ち向かう時の心構えとして、歴史のエピソードを一つ紹介して、皆さんへの餞の言葉としたいと思います。1872年、ジュール・ベルヌは「80日間世界一周」という小説を刊行しました。ジェームス・ワットが蒸気機関を発明して、約100年後のことです。大型蒸気船による太平洋、大西洋の定期航路が開設され、蒸気機関車による大陸横断鉄道が開設されたことにより、短期間で世界を一周することが可能になったことに触発されて執筆された小説です。その17年後、1889年、日本では明治22年のことです。2人の20歳代の女性が世界一周レースに挑戦しました。一人は、ネリー・ブライという、ピューリッツァ賞で有名なピューリッツァが主宰する新聞社New York Worldの記者でした。彼女は、活動的、行動的な性格で、何でも体当たりで取材することを信条としていました。世界一周の企画を立て、みずからリポーターとなってニューヨークから東回りの旅に出発しました。もう一人は、エリザベス・ビスランドという雑誌「コスモポリタン」の編集者でした。ラフカディオ・ハーンと親交があり、雑誌の文芸欄を担当していましたが、New York World社に対抗するため、急遽世界一周の旅に出ることになりました。ブライが出発した日に、会社に呼び出され、その6時間後には、ブライとは逆の西回りの旅に出発しました。レースの結果は、ブライが72日、ビスランドが76日で世界を一周し、ブライの勝利に終わりました。ブライは、ヒーローとして喝采を浴びましたが、ビスランドのことは、大きく取り上げられことはありませんでした。
 この歴史のエピソードから、皆さんは何を学ぶことができるでしょうか。女性の社会進出を開く偉業として見る視点もあるでしょう。また、男性社会の読者獲得競争に巻き込まれ、翻弄される女性記者という視点で見ることもできるでしょう。個人の自己実現という視点から見れば、ブライは、人生に目標を持ち、自ら道を開き、夢を実現したモデルとして見ることができます。一方、ビスランドは、どうでしょうか。彼女の人生にとって、世界一周の経験は、どのような意味があったのでしょうか。
 皆さんは、これから、それぞれの夢を実現するために、社会に船出して行きます。夢を実現するまでの航路が明確に見えている人もいるでしょう。まだ漠然として方向性も見えていない人もいるでしょう。そのような中で、私たちは、「人生の意味」をどのように見出せばいいでしょうか。夢の実現にたどり着く航路は、一つではありません。どの航路を選択するかは、ある程度前もって検討することはできますが、やって見なければわからないことが多々あります。それぞれの航路の善し悪しの判断も、日々刻々と変化します。ということは、スタート時点の状況だけで「人生の意味」を判断することはできません。それではゴール時点の状況はどうでしょうか。多くの人がたどり着くゴールは、当初想定していた夢とは大なり小なり異なった場所であることが多いと思います。それは、夢が破れたことになるのでしょうか。私は、そうは思いません。「人生の意味」は、スタートでもゴールでもなく、プロセスにあると考えています。スタートからゴールに至るまでのプロセスでは、偶然も含めて予想外の出来事に遭遇します。その都度、誠実に、前向きに選択を繰り返し、後悔しないことの積み重ねが、その人の「人生の意味」を紡ぎ出します。ビスランドは、本人の意思とは関係の無い事情で世界一周の旅に出発しましたが、そこで見聞きした感動を、みずみずしい感性で記録しています。とりわけ日本で見聞したことの印象が強かったようで、彼女の話を聞いたことが、ラフカディオ・ハーンの日本訪問を後押しした可能性があります。ビスランド自身、晩年に二度日本を訪問しています。
 人生に無駄なことは何一つありません。一見無駄だと思うことに遭遇した場合、そのプロセスに誠実に向き合い、楽しむ心の余裕を持つことが大切です。それが、一見無駄だと思えることを、「人生の意味」に切り替え、人生を豊かにするコツだと思います。どうか、本学で学んだことを糧にして、前向きに、楽しみながら、それぞれの「人生の意味」を紡ぐ旅に出てください。
 終わりに、皆さんのこれからのご活躍を、心よりお祈り申し上げ、わたくしの「お祝いと激励のことば」とします。

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